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第17話

16.日常
20
2023/05/21 23:00 更新
桜田 幸
桜田 幸
からっ?!
母が作ってくれるお弁当は、

いつも味が濃い。

今日のメニューはガパオライスだったのだが、

どうやら今回も例に漏れずたっぷりと

スパイスを入れ込んだようである。
桜田 幸
桜田 幸
飲み物買ってこないとダメだなこりゃ…
ロッカーから財布を取り出すと、

隣のロッカーからも財布を取り出す

同級生が数人居た。
同級生
おまえら着いてこなくて良いって
そう言いながらも、嬉しそうにはにかむ一人に

数人の男子生徒がわらわらと着いていく。
気まずく無いように、一定の距離を保って、

ボクも彼らの後ろを着いて歩く
ジャラジャラと小銭を自販機に入れ、

麦茶にしようか緑茶にしようか暫し悩み

"おーっとお茶"と書かれたラベルのボタンを

押…押す…………


定番であるはずのお茶がなぜに一番上に…

ボクの指は、"ほんの少し"届かなかった

諦めて一つ下の"やさしすぎる麦茶"のボタン

に手を伸ばした
    





ガコン






白石 遥兎
白石 遥兎
これで良いですか?
桜田 幸
桜田 幸
ボクの背から手を伸ばしてボタンを押したのは

ハルだった
白石 遥兎
白石 遥兎
はい、ど〜ぞ♡
桜田 幸
桜田 幸
…ありがとう
…よくのうのうも近付いて来れるな…?

つい昨日、あんなことをしたのに…



思い出しただけでも、

甘さが口内に鮮やかに蘇る


…思い出したくない…

その思いでスタスタと早足で教室へ戻ろうとした

白石 遥兎
白石 遥兎
ねぇ、サクラさん。
白石 遥兎
白石 遥兎
やっぱり、サクラさんって
良い匂いしますよね
後ろから、あの大きな手をボクの腰に回し、

抱きついてきた


鼓動が、早くなる


脳が 揺れ、はじ め




呼吸 が 荒 く …






桜田 幸
桜田 幸
…た、すけ……!
ハ…る…ぅ…
白石 遥兎
白石 遥兎
サクラさん…?






何ということだろう


こんなにも早くチャンスが来るだなんて


思ってもみなかったかった


あのサクラさんが、こんなに必死に、





おれにキスを迫るだなんて……
桜田 幸
桜田 幸
おねがっ…はゃ…っく
おれと触れたことで発作が起きたサクラさんに、

昨日の様に薬を"口移し"で飲ませてやろうか、

と戯言を零してみたところ、予想外にも

サクラさんはこの話に乗ってしまい、

何故か過呼吸になっている人間に

引っ張られてトイレの個室に入るという、

異様な光景になってしまった。
おれが"薬"を口に含んだ瞬間、

サクラさんは必死に唇を寄せてくる
白石 遥兎
白石 遥兎
……ふふっ…そんなにがっつかないで
ください…
あぁ…やっぱり……



サクラさんとのキスは

すごく甘い。

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