目が覚めたら廊下だった。暗い、金属製の壁に囲まれた廊下だ。それは例えば研究所や軍事施設のものに思えた。蛍光灯は自分の真上と、左右1ブロックほどだけちらついており、それ以外に光源は見当たらない。だから、この廊下が前にも後ろにも長かろうということはわかっても、ドアが
ありそうだとか、曲がり角がありそうだとかは暗闇に遮られて到底判別つかなかった。しかし、一つだけ見えるものがある。探索者の2メートルほど前、辛うじて蛍光灯の明かりが届く範囲に人の両足。ちょうど仰向けに横たわっている向きだが、見えるのは膝までであり、それより上は暗くて見えない。
※イメージ

探索場所
①前 (足がある方)
②後ろ (足と反対方向)











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!