初陣に行き、時間遡行軍を次々と倒して行く。
途中で拾った短刀を連れて本丸に戻ると、厨の方からいい匂いが漂って来たので、気になって皆で様子を見に行く。
厨の調理台にはお皿や調理器具らしきものが置いてあり、主さまが料理をしているのだと分かる。
主さまが少し首を傾げながら言うと、加州さんが「だろうね。次は俺達刀剣男士も連れて行きなよ?でも有難う」と照れくさそうにしながら、お礼を言った。
すると、主さまは石切丸さんの足元に立っていた新しい短刀二振に視線を向け、「ようこそ本丸へ」と言って軽く笑った。
主さまは僕達と同様、審神者になったばかりで今日この本丸にきた。
僕達とも言うて初対面に近い筈なのだが……妙に馴染んでいる。
加州さんの話によれば、数時間前の単騎出陣の際、重傷で帰って来ても主さまは至って平然とした態度で手入れをしてくれたらしい。
手洗いを済ませ、虎くん達の足も洗ったあとなに広間へと向かう。
広間の食事台の上には、初めて見る料理が乗ってあった。主さまが言っていた“くりーむしちゅー”と言うものだろうか?
初めての食事を目前に、不思議に感じていると主さまが「おまたせー」と言ってお冷を持って歩いてくる。
声を合わせていただきますをした後、主さまが“すぷーん”の使い方と“くりーむしちゅー”の食べ方を教えてくれた。
初めて使う道具で、初めて誰かと食べるご飯……それも、新しい主さまの手作り。
これからどんな本丸になって行くのか、少し楽しくなってきました。


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。