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第1話

プロローグ&プロフィール
222
2025/10/29 23:02 更新
武装探偵社のオフィスは、珍しく全員が揃っていた。

理由はただ一つ、八雲蒼空の長期出張の見送りだ。

普段は軽口の飛び交う探偵社だが、一年の別れを前に、どこか湿っぽい空気が流れている。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
ま、みんなそんな顔すんなって。たかが一年、あっという間だろ?
蒼空は笑った。手には国木田が渡したスケジュール表の束。

もちろん、彼女はこれを守る気など毛頭ない。
太宰 治
太宰 治
たかが、じゃないよ、蒼空。君がいないと僕の自殺計画の立案に張り合いがないし、
何より乱歩さんが退屈してしまうじゃないか。
太宰治がいつもの調子で、しかしその目に真剣な光を湛えて言う。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
うるさいな、太宰。僕がいなくても、君はちゃんとサボるだろ。
それに乱歩さん? 大丈夫、彼には手土産を用意してあるから。
蒼空はにやりと笑い、テーブルに分厚い封筒を滑らせた。

中身は、最近横浜で騒がせていた未解決事件の「答え合わせ」のメモと、いくつかの推理に使える裏情報だ。

乱歩が興味深そうにそれを手に取る。
蒼空は得意げに胸を張る。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
だろ? ああ、それと国木田
八雲 蒼空
八雲 蒼空
そのスケジュール、ちゃんとこなすには途中で秘書が何人か必要になるぞ。
帰ってきたら、僕にも一人くらい秘書を付けてくれ。まあ、絶対無理だろうけどな。
ユーモアを交え、場の空気を和ませる。

だが、彼女の腹黒い本性は、ある男の質問で顔を出す。
中島敦が素直に尋ねた。

その瞬間、蒼空の瞳がチカリと一瞬、琥珀色に光った。

それは《鑑定》を発動した証。彼の質問の裏に、純粋な心配しかないことを確認する。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
ああ、それな。悪ぃけど、それは秘密だ。社長から『お前は黙っていろ』って
釘を刺されちまってな。僕の口は堅いんだよ、敦君。
蒼空は肩をすくめた。嘘ではない。本当に言わないよう指示を受けている。

だが、その言いたくない理由の裏に、マフィア時代の因縁が絡んでいることを、探偵社の面々はなんとなく察した。

一番奥で腕を組んでいた中原中也が、静かに口を開く。
中原 中也
中原 中也
……ま、テメェなら心配ねぇだろ。だが、借りを作って帰ってくるんじゃねえぞ、夜の姫
中也は「相棒」としての蒼空の力を誰よりも知っている。

だが、一年の空白は埋めがたいものだ。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
はっ、冗談言うな、中也。僕が借りを作るわけないだろ。
むしろ向こうが僕に借りを作るさ。
蒼空は最後に一瞥。太宰、中也、そして信頼する探偵社の仲間たち。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
じゃあ、行ってくる。みんな、僕がいない間、僕のコーヒーカップは割るなよ。
太宰、ちゃんと働け。中也、あんまり背伸びするなよ。
軽く手を振ると、蒼空は夜の帳へと向かった。

遠距離戦を得意とする彼女にとって、夜は故郷のようなもの。

誰も見ていない場所まで来て、彼女はふっと笑みを消した。

琥珀色の瞳は、夜闇の中でも遠くを見つめている。
八雲 蒼空
八雲 蒼空
……さて、夜の帳だ。一年か。少し長すぎるな
懐から取り出した投げナイフを指先で回す。

その輝きは、月夜の下で《月夜見》の影の武器に姿を変えようとしていた。

彼女は知っている。この出張が、ただの任務ではないことを。
名前:八雲 蒼空やぐも そら
年齢:22歳
身長:173㎝
体重:ヒミツだよ☆ by蒼空
通り名:夜の姫

異能力:《月夜見》ツクヨミ
    ・影からモノを作り出す
    ・『鑑定』をし、相手の強さ、個人情報などを見る。

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