フェイク。最悪だ。
私としたことが。まだ露西亜で訓練してた頃のほうがマシだった……!!
仕方ない、本当は嫌だけど。
首元のピンを引き抜く。
全身に痛みが走る。ただ声は出さない。
生まれてからずっとやってきたことだ。
ただこの痛みだけはなんとかしてほしい。
──個性、爆発。
この首元のピンを抜いたら、爆発を起こせる。
そしてこの状態では超回復を続ける。
さて、問題。
私のこの力、何が弱点でしょう。
……正解は、“心臓”。
心臓の中心あたりにこの個性がある。
だから、心臓を攻撃されたりすると、
超回復が遅れてしまう。
大きな爆発。
校庭だけに起きた。
けれど、まわりの気が爆発して散っている。
そして、私の思ったことは。
綺麗だ。
美しいあの校庭の草木が爆発して、空に舞う。
そしてあたりは焼け野原のよう。
すっきりとして見渡しがいい。
……もう爆発物などは見当たらない。
なので、私は個性を解除した。
個性の解除方法については、今度説明するとして。
私は何事もなかったかのように教室に入る。
勿論窓から。
みんながびっくりした顔でこちらを向く。
私は作り笑いを浮かべた。
そういって私の席につくと同時。
数秒の沈黙。
沈黙、沈黙、沈黙──。
【 NO SIDE 】
そうして、あなたの下の名前は黙る。
──昔よくやってた──。
それは彼女の過去を意味し、
もう戻らない夏の思い出へと戻っていった。
何故爆弾の解除から夏の思い出に戻ったのか、
誰もわからない。けれど。
あなたの下の名前は微笑む。



















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。