第32話

待ち侘びた体温
1,982
2024/09/13 21:30 更新
イエナ
イエナ
二日目はね、軽めの予定の方がいいんじゃない?
今回の旅行プランについても、イエニヌナに頼りきった。
二泊三日、お金は今までがむしゃらに働いてきたからそこそこあるから、ホテルのグレードも気にせず、二人でゆっくり非日常を楽しめればと思った。
自然豊かな土地で、世界遺産など観光にも困らないところだから、予定を詰め込むことも出来たのだが、せっかくなのでゆとりを持ちたい。
今のところ、ゆっくり朝食をとってから、椿園に行ったり、市場で食べ歩きを計画している。

イエニヌナが二日目以降の旅程に含みをもたせると、後ろでチャニとビニヒョンも苦笑してる。

評判の良いホテルということもあって、食事も美味しかった。
ジナなんてご機嫌で、食事を終えて、スキップ混じりで部屋に向かってる。
ひと足先に辿り着いたジナが、手元の鍵で開錠して、部屋に足を踏み入れる。

そこは大きな窓のオーシャンビューの部屋だった。
今は暗いけど、朝日が昇れば海が綺麗に見えるだろう。
ご機嫌で部屋を見渡すジナが、急に部屋の真ん中で足を止める。
ジソン
ジソン
あー…。
彼女が足を止めたのは部屋の中央にあるクイーンサイズのベッドを見てだろう。
まぁそう言うことを期待してなかったといったら嘘じゃないし、むしろ期待しまくってはいるが、悲しいことにお預けには慣れてるので無理強いするつもりはない。

ジナに無理しなくていいから、とかっこつけようと思った矢先に、彼女が振り返った。
ジナ
ジナ
シャワー、浴びてくる…。
え?まじ?と呆気に取られていると、
ジナは自身の小ぶりのスーツケースを開けて着替えを取り出して、シャワールームへむかってしまった。
俺がシャワールームから出ると、バスローブに身を包んだジナが所在なさげにベッド脇に座っている。
俺はバスローブなんて着慣れなくてパジャマがわりに持ってきたTシャツとハーフパンツだ。
俺も拳ひとつ分くらい空けて、ジナの横に腰掛ける。
ジソン
ジソン
ジナ、別に、無理すんなよ。
ジナ
ジナ
えっ…?
ジソン
ジソン
待つのなんて慣れてるし、これからいくらでも一緒にいれるだろ。
へらっと笑う俺に、ジナが頬を膨らませて拗ねた顔をした。
ジナ
ジナ
もう、待たせる気なんてないよ。
私だってずっと待ってた、ジナがそう続けて、俺の手をゆっくり取った。
合わさった手は、俺の体温が高いのか、ジナの手が冷たいのか、ひんやりする。
ジソン
ジソン
ジナ…。
顔を近付けるとジナがゆっくり目を閉じる。
俺は勿体無いような気がして、ジナの顔を見ながら、その唇に自分のものを合わせる。
肉厚なその感触が楽しくて、角度を変えてしつこく啄んでると、ジナが薄く唇を開けた。
上唇を舐めたあと、ゆっくり舌を差し入れる。
ジナ
ジナ
ん…。
ジソン
ジソン
ジナ、好きだよ。
唇を離すとジナの目が潤んでるのが見えた。
ゆっくりバスローブの紐を解いて、肩から下ろすと、ジナが恥ずかしそうに身を捩った。
ジソン
ジソン
うわぁ…。
感嘆の声を上げると、ジナが顔を赤くする。
俺、鼻血でてないかな、と不安になって鼻に手を当てるが、どうにか大丈夫そうだ。
ジソン
ジソン
っ、ジナ…?
なんとか腰を推し進めるが、俺も散々待たされて余裕なんかない。
我慢のしすぎで額には汗が浮かんでいる。
それでも、ジナに痛い思いをさせてないか、不安で、ジナの顔を覗き込むと、ジナがぐずぐずと泣いていた。
ジソン
ジソン
ジナ?ごめん、痛い?
顔を隠しているジナの手を退けると、目にいっぱいの涙が溜まって、ポロポロと頰にこぼれている。
無理強いしてしまったか、罪悪感に襲われる。
ジナ
ジナ
ジソナっ、違くて…。
ジナは泣きながら、怖かった、と続けた。
ジナ
ジナ
ジソンアが、待っててくれるかって…、
私のこと好きでいてくれるかって…。
ずっと…。
ジソン
ジソン
ジナ…。
ばかだな、お前ほどわがままで、強烈で、頑張り屋で、綺麗で、可愛い女の子なんていないのに。
ジソン
ジソン
ごめんな、ジナ。
そう言って俺は、大好きだよ、と続けると、ジナは安心したようにふわっと笑った。

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