アベル先輩の言う通りにワース先輩が普通に腕を伸ばすと、今度は私の腕を掴む事ができた。
そう私が微笑むと、ワース先輩は顔を赤く染めて地面に蹲ってしまった。
ただ大事な後輩と思ってもらえて嬉しいって言っただけじゃん。
なのに誰一人として私の味方がいないのは何で??
突然のシュエン先輩の謎発言に更に困惑していると、ハッとしたようにラブ先輩が私の誕生日の事を話した。
本気でどうでもいいのだが、私の誕生日パーティーが開催される事になった。始まるのは19時かららしい。
パーティー当日。
私の部屋の前には沢山のプレゼントボックスと、ギフトラッピングバッグが山の様に積み重なっていた。
取り敢えず扉を閉め、また開け夢では無い事を確認する。
そしてポケットから伝言ウサギを取り出し、レイン先輩に電話をかけた
なんて?????
フィンか。ならレイン先輩も許可するわ
その後もすれ違う人々からプレゼントを渡され、予備で持って来た大きめの紙袋×3は1時間も経たずにパンパンになった。
比較的仲のいい別の生徒に「何が欲しい?」と聞かれ「紙袋」と正直に答えたら、爆笑されながら紙袋を沢山貰った。有難いが、今の会話のどこに爆笑する要素が…?
途中でマッシュ達と遭遇し、プレゼントを持つのを手伝ってもらった。マッシュが凄いバランスで沢山運んでて凄いと思ったが、落とさないか心配になった。
19時、食堂に入るとクラッカー音が鳴り響き「誕生日おめでとう!!」と言われた。
そして身内()の誕生日を祝いたいのだと駄々を捏ねた兄さんが神覚者権限で乗り込んできたが、なんとか大人しくするという約束で参加する事になった。
再び大量のプレゼントが渡され、プレゼントの山ができた。これ部屋プレゼントで埋もれるのでは?同室の奴がいなくて良かった。
(なおプレゼント検査は既にファンクラブが行っている為、危険物は一切入っていない)
そして豪華なご飯を皆で食べ、デザートにはマッシュが作ったシュークリームを食べた。勿論誕生日ケーキも
私は自分の誕生日が嫌いだ。
歳を重ねる度に、己の無力さを実感する。
今年もアンナを救えなかったのだと、何の為に私はランス・クラウンになろうとしたのかと。
私にとって、誕生日なんてものは呪いでしかない。
前世は小さい頃は祝ってもらったが、社会人になってからは誕生日も残業でせいぜいお祝いのメッセージが届くだけになった。
だから今世で豪勢な誕生日パーティーが行われる度、別の事に使えばいいのにと思っていた。
でも…
………こんな日も偶には良いか、なんて。
らしくも無く思ってしまった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!