第69話

母親の優しさ
388
2026/05/25 11:14 更新
次男
 で、何話したの? 


るぅとくんが家に帰ってきたとたん、上2人が
るぅとくんのいる部屋へと入っていった。

六男
 えっと … 、 
四男
 … 怖 、w 


僕とジェルくん、さとにいはドアに耳を当てて
盗み聞きをしている (

三男
 にいちゃん たちの圧には 
 流石のるぅとも負けんだろww 
五男
 るぅちゃん可哀想やな… 
四男
 まあでも 母親と会ってたんだし 
 仕方ないでしょ〜
五男
 そうなんかなぁ 
三男
 … どうした? 
五男
 や、なんでもないわ 


ジェルくんは何だか歯切れが悪い。
どうしたんだろ、ほんと

長男
 もしかして、昔話でも聞いた…? 
六男
 … はい、聞きました 


… やっぱ、母親の昔話だったか。

どうせるぅとくんに自分が可哀想な感じで話して
同情してもらいたいんでしょ?

六男
 僕、あの人そんな悪い人だとは 
 思えなかったです
長男
 … るぅとくん、 
次男
 なんで? 
六男
 だって、優しかったもん…それに
 ちゃんと出ていった理由もあったし 
次男
 それはさ、多分るぅとくん 
 勘違いしてるよ


咄嗟に言葉を発したのは莉犬にいだった。

「違うよ」ときっぱりるぅとくんを否定した。

六男
 … なんで、? 
次男
 あの人はななにいに全部を 
 押し付けて生きてきたんだよ? 
長男
 … 昔は余裕もなくて怒ってばっかり 
 だったし、本当は優しくないよ


にいちゃんたちの言っていることが多分正しい。

四男
 るぅとくん、なんであんなに 
 母親のこと庇うんだろ?
三男
 な、 
五男
 … だって、実際 一緒に暮らした 
 過去がないやん
四男
 … え? 
五男
 だから最初は怖かったけど今は優しい 
 人って印象になったのかもしれへん 


… るぅとくんには母親がいたときがないわけだから
母親の優しさに初めて触れたんだ。

六男
 … ななにい たちに辛い思い 
 させたのもあの人ですもんね 
六男
 なんか、複雑なんです 
長男
 … そっか、るぅとくんは 
 そう感じたんだね 


そのとき、ななにいが優しい声でそう言った。

きっとこれ以上責めてもるぅとくんにストレスが
溜まってまた倒れちゃうとでも思ったのかな。

次男
 今のあの人は優しかったんだね 
六男
 …はい 

六男
 母親がいたらこんな感じなのかなぁ、 
 とか考えちゃったりして…

次男
 … ごめんね、あんな母親で 


るぅとくんは泣くのを我慢してるときみたいな声に
なった。 … 見えないけど、多分涙目なんだろうな。

六男
 ううん、りいぬにいが
 謝ることじゃないです 

三男
 … 俺らは解散するか 


黙って聞いていると、さとにいがそう言ってきた。

…この会話は3人だけの方がいい気がする。
そう思って僕はうん、と頷いた。

プリ小説オーディオドラマ