玄関からガチャっと音がした 。 ドアを開ける音 。
隣で一緒にゲームをしているにいちゃんが
テレビ画面から目を離さずそう言った 。
僕もテレビ画面から目を離さずにそう返した 。
… 正直 、あの人が出ていくのは想定外だった 。
僕はもちろん嫌だけど あの人はそんなの関係ない、
みたいに普通にまた僕をいじめるのかと思ってた 。
だって家出から帰ってきた理由だって「つまんない」
からだったしさ …
そんな会話をしていると、玄関に居たるぅとくんたちが
リビングに入ってきた 。
2人はすごく暗い。
… ななにいが家を出ていったのがショックなのか 。
さすがにまだ2人には辛すぎた ?
別にななにいのことすごい嫌いなわけじゃないもんね 。
りいぬにいが急に2人に謝った。
どうしようかなあ、みたいな顔をしたあと、
りいぬにいはこちらに視線を戻し口を開いた。
… さとみくんとかるぅとくんたちに接してる
ときみたいだったってことか 。
優しい印象 1ミリもなくて驚いちゃったじゃん (
_____その後、にいちゃんから1時間くらい話を聞いた。
僕が産まれてからにいちゃんは母親に家のことを
任せ始められたこと 。
それなのに僕は母親から甘やかされていて、疑問ばかり
が浮かんでいたこと 。
僕はそんなにいちゃんの言うことを聞かなかったこと 。
… 僕が生まれたときからにいちゃんは大変な思いを
するようになった 。
だから僕のことが嫌い 。
にいちゃんの弟として産まれてきて迷惑かけて 、
それなのに言うこと聞かなくて …
僕が産まれたせいでにいちゃんはあんなになって 。
僕が震えた声で言うと、にいちゃんたち2人が割り込む
ように否定した 。
僕はまた、さっきよりも震えた声でそう言った 。
ななにい を苦しめたのも母親 。
僕を産んだのも母親 。
… 母親がちゃんと育ててくれてれば、僕たちは
今頃 仲良く暮らせてたのかもしれない 。
ずっと口を閉じていたるぅとくんが 、口を開いた 。
本人に会うのはすこし怖い 。
それでも、会わないと何も分からないし変わらない 。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。