〜病室〜
たっつんside
薬を投与してからどれくらい経っただろうか
時計のない部屋で、月だけが時間を知る手がかりだった
窓から差し込む光は短い影を映し出す
ぼんやりとじゃぱぱの顔を眺めては月を見る
何度繰り返しただろうか
脳内ではずっと、じゃぱぱが目覚めた時の事を考えている
どんな反応をするかな
月光にも、太陽にも負けない眩しい笑顔を見せてくれるだろうか
星のような涙を流すのだろうか
____ずっと、太陽が差し込むことはないんじゃないか
コンコン🚪
ガチャ
えとside
たっつんの隣に腰を下ろす
窓際の席で、夜の冷たい風が吹き込んでいる
作りたての、暖かいミルク
持ってきてよかったー!
たっつんはきっとこんな寒い部屋で、1人きりで、、
じゃぱぱがいつ目を覚ますか不安だったろうから
ちょーっとアクシデントはあったけど
たっつんの気持ちが軽くなってよかった
じゃぱぱの方をチラチラとみながら、こっちを覗いてくる
まるで駄々をこねる子供のようだ
昔は控えめで、遠慮がちだったのにね
あの頃が懐かしい
少し位前まであんなに小さかったのに
今はこんなに立派になって
気づいたら、人を助けられる、そんな強い大人になっていたなんて
まだ未練がましそうではあったけれど、布団に潜り込んだ
数分も経たないうちに、スースーと寝息が聞こえてきた
部屋がとても静かなせいで、2人の寝息だけが聞こえてくる
じゃぱぱの手を右手に握り
顔を見つめる
少し痩せたかな、、
ずっと寝てるし、そりゃそうか
この夜は、今までで一番長くなるだろうな
頭の中で、2人の思い出を振り返る
じゃぱぱがたっつんを拾ってきて
最初はたっつんもタジタジだったけど、城の生活に慣れていって
そのころに、たっつんの両親を名乗るクソ野郎を撃退したんだっけ
それぐらいから、よりじゃぱぱとたっつんの仲が深まった気がする
他にもいろんなことがあって____
そうしているうちに夜がふけていき、やがて
地平線に、朝日が顔を出した
自分もうとうとしてきた頃
右手が、わずかに握られたような気がした
ガタンと椅子を立ち、手を握ったまま、たっつんの体を揺さぶった
バッと跳ね起きて、私と反対側の手を握った
窓から光が差し込み、じゃぱぱの顔を明るく照らし出した
その光景は少し神秘的で
鼓動が早く脈打った
そしてついに____
私たちの望んだ明日が、やってきた














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!