第2話

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2024/07/01 23:55








私の従兄弟、保科宗四郎は実の兄のような存在だった。
いつでも一緒にいてくれて、私の事をいつなんどきも最優先してくれる。
悩みの種も一瞬で解決してくれた、世界で一番優しい人。
それが保科宗四郎だった。
あれは私が17歳の頃、普通の子よりもかなり遅い年齢で初めて"初恋"という人が現れた。








二年前の夏、私は学校帰りに犬の散歩をしていた時、運悪く大きなワーム型の怪獣に襲われ逃げていた。








あなた
...はぁっはぁっ……








大きく吠えるポチを腕に抱え、角という角を曲がりながら逃げ回っていた時。
うねうねと動いて追ってくるワームが突然、一人の人物によって殺されていた。
紫の液体が近くのブロック塀や家の壁に飛び散る、ワームの背中を刺した人物は立ち上がり私に目を向けた。

その人物こそ……。








あなた
...!鳴海弦……!!!
鳴海弦
鳴海様と呼べ!
あなた
え、あ...はい!!
鳴海弦
なら今すぐスマホでこう呟け
鳴海弦
鳴海隊長はクソかっこいいってな
あなた
はい!!








返事をすると彼は乱れたオールバックの下でフッと微笑み、私に背を向けまたどこかへ走って行ってしまった。
その背中に目を離さずにはいられず、私は彼が見えなくなるまで見つめていた。








あなた
かっこいい...








彼のあの横顔と微笑みを思い返すと体温が上昇し高揚する、鼓動もいつもより早い。
何となく、頬がほんのり温かくなる感じがした。
きっと、これが私の初恋だったのだろう。








あなた
ふわふわする...








この感覚を一人噛み締めながらポチと家に帰った。
次の週の休みにでも宗兄さんに話そう、記念すべき第一号だ。

一週間後の休み、団地に寄ってくれる宋兄さんに鳴海さんの事を話した。








あなた
鳴海さん、すごいかっこよかったよ!
あなた
宗兄さんにも見してあげたかったわ、ほんま360度イケメンだったんよ!
保科宗四郎
そうなんや、そらよかったな
あなた
…うん、ねぇ宗兄さん
あなた
なんか今日元気なくない?
あなた
なんかあったん?
保科宗四郎
え、いや…なんもあらへん
あなた
ほんと?
保科宗四郎
ほんまや
保科宗四郎
心配すんな、僕は元気や








僅かに開いていた細い目を完全に閉じ、口角をあげて細める彼はどこか…寂しそうに見えた。
確かそう、この時からだったと思う。
彼がおかしくなり始めたのは。








あなた
なぁ宗兄さん、なんか最近変だよ…
保科宗四郎
.....どう変なん?
あなた
なんかね…いつもと雰囲気が違うって言うか……
あなた
少し…怖いっていうか……
保科宗四郎
…どこが怖いん?怒らへんから言うてみ









私に顔を近づけ、肩に手を添えてそう言う彼はやはり前までの宋兄さんとはまるまる違っている。
私に対する言葉使い、振る舞い、接し方…この全てがまるで、従姉妹と言うより  "恋人"  にしている様な気味の悪い感じだった。








あなた
…や、やっぱりなんでもない……
あなた
急にこんな事言って、ごめん…
保科宗四郎
…ほな戻るわ、また様子見に来るで
あなた
うん…








プロフィール
あなたの名字あなた
誕生日 5月17日
年齢 18歳
身長 160cm
好きなもの スルメイカ、さきいか、鳴海弦

母が関西人で父が東京の人なので関西弁と標準語が混じってます




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後、夢主ちゃん鳴海隊長を追いかけて防衛隊になります
抱かれるのはもう少し先です…♡

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