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僕の口からはそんな言葉が出ていた
分かっていたのに
これから一生の家族になるかもしれないなら
じっくり考えるのが普通だ
でも正直
今の僕にそんな時間が無いのは事実だ
それでも
僕の口から出たその言葉は嫌々出た言葉では無かった
のだと思う
もう嫌な奴らの顔を見なくて済むって考えると嬉しいけど
こうやっていざ別れるとなると
物寂しいもんだな
はぁ…はぁ……
いやまじか
こんなに歩いたのになんでそんなに平然としてられるの!?
まぁ僕が運動不足なだけなのは分かってるけど
でもこの人たちといると安心する
落ち着く
そう思うと僕の心を縛り付けていた縄が1つ、解けた気がした
僕の名前
それは僕にも分からない
一体何なんだろう
それなのに僕の口は動いていた
なるせさんだっけ
きっとお姉さんから話を聞いてたから驚いたのだろう
あなたの名字あなたの下の名前……
なんだか少し温かく、冷たかった
そう呼ばれると嬉しくて、だけど悲しかった
変な気持ち
ここが新しい僕の家
※ぽいってだけです
中も広い……
この人たちからしたら普通なのか?
そう言って冷蔵庫を開けた
ハンバーグ……
どんな味なんだろう
なんだかみんなで協力してやってるのに僕だけ何もしてないのが悪い気がした
そう言うとソファから立ち上がって何やら漁り始めた
ピコン♪♪
ポチ♪♪
めいちゃんさんは僕に棒のようなものを渡してくれた
その後2人は僕に優しく、丁寧に操作方法を教えてくれた
そんな会話を何気なく見ながら
ゲームをやっていた
とても楽しかった
今まででは考えられないくらい幸せだった
気付いたら僕の目からは涙が溢れていた
でもこれは悲しい涙なんかじゃない
嬉しい涙だ
僕はみんなに迷惑をかけないように今まで、やったことのないくらいの
精一杯の笑顔を見せた
まだ分からないけれど楽しくなりそうだな
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!