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第70話

福ノ神の聞きたい話
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2026/03/08 11:00 更新









授業後……、









なんだか気を取り戻したもののしょげ気味な晴明君の姿を心配しながら後に続いて教室を出ようとした





……が、






恵比寿夷三郎
あ、白美狐先生
あなた
お〜っと??
あなた
恵比寿先生、どうしました?笑




彼は表情こそ微笑んでいるが、「逃がさないよ」とでも言うような圧を纏ったオーラを放っている


ひぇぇ……なんてこった…




恵比寿夷三郎
少し聞きたいことがあって…
恵比寿夷三郎
お時間よろしいでしょうか?笑
あなた
……
あなた
うーん、ちょっとならね〜笑
恵比寿夷三郎
わぁ ありがとうございます笑




本心からくる微笑みだと思いたい笑みを浮かべて彼はそう言った


……そしてやはり彼の容姿が整っているためか周りの視線が集まっている






あなた
……
あなた
その……場所変えません?
恵比寿夷三郎
僕もそう言おうと思ってました笑
行きましょうか、
あなた
(自覚済みなんかい)
あなた
ですね笑







そして私たちは移動し今のところ誰も来ない屋上へと着いた




入口から遠い場所まで来ると、立ち止まった




恵比寿夷三郎
…さて、
恵比寿夷三郎
やっと会えたね、あなたさん
あなた
…、やっぱり知ってたんだ
恵比寿夷三郎
まぁ色々聞いてるからね笑
恵比寿夷三郎
例えば、君が昔…元は式神で謎に包まれた人間の"たちばな 桜史おうり"っていう男に仕えてたとか、その人物とせい先生が師弟関係にあったとか…?
あなた
…へぇ?すごいじゃん笑
あなた
……それで、
あなた
福ノ神君は何を企んでいるのかな?
恵比寿夷三郎
ははっ、企むだなんて…
僕は何もしないよ
恵比寿夷三郎
まぁ、神様同士仲良くしようよ
あなた
私は元ですけどね


そんな言葉は無視して彼は続ける




恵比寿夷三郎
それにしても、
恵比寿夷三郎
あの阿古町あこまち代理を務めてたらしい君がここにいたなんて…
恵比寿夷三郎
探したよ
あなた
わざわざ辞めた者を探しに?
そりゃご苦労……
恵比寿夷三郎
君を探せばあの星神の代理君にも会えるかなって思って?
それに、それ以外にもちょっと聞きたいことはたくさんあったし
あなた
へぇ、
あなた
……何が聞きたいの?
あなた
本人の意思で答えられないのもあるけど

恵比寿夷三郎
はは、彼は聞いていた通り壁が厚いね笑
恵比寿夷三郎
ま、彼自身については本人が吐くまで待つよ
あなた
恵比寿夷三郎
で、本題なんだけど




彼は微笑みながらも瞳は真剣さを帯びており、
腕を組んでこちらを見る。まだ話は続く…



恵比寿夷三郎
僕がこの島を前に周って通りかかったら雰囲気がやけに不気味な男がいたんだけど、何か知ってる?
あなた
…?不気味な男…?
恵比寿夷三郎
そ、白髪で糸目の。
あなた
……
あなた
白髪…



白髪で糸目か……、





あなた
(……………まさか、)



私は思い出しかけてやめた
自分のためにも…、今はまだあの記憶は封印しておくべきだ




恵比寿夷三郎
(……図星か、)
恵比寿夷三郎
見た目は普通そうだけど、妖の気があまり感じられなかったから……元々弱いのか、はたまた相当な技術で抑えているのか
あなた
へぇ、そう……
その人がどうしたの?
恵比寿夷三郎
僕が上から聞いている人物になんか似てて…ちょっと気になってね
恵比寿夷三郎
何も過去に何かしでかして追われる身になったのに未だ何かに執着しながら行動してるんだとか
あなた
………なるほどね
あなた
んで、私が知ってるかどうかって?
あなた
……うーん、、分からないや笑
恵比寿夷三郎
あなた
…いや…思い出したくないし知りたくもないに近いかな
恵比寿夷三郎
……ふーん、
恵比寿夷三郎
随分と嫌ってるみたいだね笑
あなた



彼の疑問にただ微笑み返した



あなた
まだあるの?
恵比寿夷三郎
もちろん、
ほんとは山程あるけど…時間が足りないし
恵比寿夷三郎
…で、今回はこれが最後の問いなんだけど

恵比寿夷三郎
せい君……彼の名字について…
彼、天都見あまつみの他にもあるよね?
恵比寿夷三郎
たとえば………、









さぁぁっと風が吹いて葉が擦れる音がして髪が揺れる










恵比寿夷三郎
______彼の母親の名字とか














その言葉を聞いたときほんの一瞬だけ忘れたように息が止まった気がした



視線をそらして目を伏せる

言えない…私が言うことではない。
なぜなら、それを言うかどうかはせい自身の問題であるのだから。



私はただ…"彼ら"との約束を、願いを守って叶えるだけ。





 





あなた
…、
あなた
…さぁね
恵比寿夷三郎
恵比寿夷三郎
…ふーん……そう、
恵比寿夷三郎
いろいろありがとうございました笑 では、また何かあればまた質問しますのでよろしくお願いします
恵比寿夷三郎
それでは僕戻りますね笑






そう言うと彼は屋上へ去って行った。

私は1人その場に残ってベンチに腰掛ける









あなた
…、
あなた
はぁ……なんか疲れた



私はしばらく座って風を感じていた
木々の葉が揺れて擦れる安らかな音が相変わらず耳に入る



そういえば今昼か……
それにしてもなぁ、


あなた
(あそこまで分かるとは…)
あなた
(おっそろし、)




ベンチから立ち上がって中庭を眺めようと柵の方へ向かってもたれかかった



すると、どこかへ走っていく晴明君の姿が見えた






あなた
…?
あなた
佐野君も走ってった、
あなた
何があったんだろ……











ひとまず職員室に戻ろうと屋上の出入り口まで歩いて扉を開けて屋上から去った、

















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