前の話
一覧へ
次の話

第1話

#0
20
2023/10/25 11:00
「‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬」

「‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬‪✕‬」


見慣れた光景、聞き慣れた言葉。

言い慣れた台詞、何度やっても慣れない行動。

操り人形の僕は動きを止める事は出来ない。

けど、僕は“何もしてはいけない”


だから、自縄自縛したんだ。


「何もしてはいけない。ほら」


「何もしてはいけない」


「よく出来ました」
翠条神華
「………」
休日の午前8時。
僕は酷く緩慢な動きで起き上がった。
今は何も言われない。
だったらそれは良いことなんだろう、分からないけど。
スマホが使えるのはもう少し後なのでそれまでゆっくりしていよう。
???
「あら、それなら此方でお話ししない?」
声が聞こえた。
きっと幻聴だ。
???
「酷いわねぇ」
???
「そう言うなら出て来てあげましょうか?」
直後、目の前に金色が満ちた。
それがその声の人の髪の毛だと気付くのに数秒必要だった。
翠条神華
(何、これ………)
八雲紫
「初めまして、私は妖怪の賢者…八雲紫よ」
翠条神華
「…………」
八雲紫
「それで……貴女が翠条すいじょう神華   かなさんね」
翠条神華
「………」
八雲紫
「えっと……?」
翠条神華
「………そうで、す」
翠条神華
「僕は翠条神華です」
八雲紫
「そう、それはよかった」
八雲紫
「それじゃあお話ししましょう?」
それと同時に視界を不可思議な物が占領した。
沢山の瞳が空間を占領している。
翠条神華
「ひっ………」
視線が、怖い。
八雲紫
「貴女は此処はダメだものね」
そう八雲さんが言った途端、再び景色が変わる。
和風の部屋
畳のある、僕の部屋と似たような感じの部屋。
違う所は沢山あるけど、何か似てる気がする。
翠条神華
「……此処は?」
八雲紫
「私の家よ」
翠条神華
「……え??」
こうも易々と他人を家に入れるの???
八雲紫
「貴女を此方へ…幻想郷へ招待したいの」
翠条神華
「幻想郷……」
聞いた事がない単語
少し、好奇心をくすぐられる
でも、僕なんかが行って良いのだろうか。
行くならもっと……僕の相棒である風雅とかがいいのでは?
翠条神華
「僕なんかより、僕の相棒の風雅とかがいいのでは……?」
八雲紫
「あら、奇遇ね」
八雲紫
「その子も後から連れてくるつもりだったのよ」
翠条神華
「……!」
それなら、行きたい……
翠条神華
「ぼ、僕も!行って、みたいです!」
八雲紫
「それなら決定ね」
ニコリと笑う八雲さん
八雲紫
「ようこそ“幻想郷”へ」
新シリーズ!
不定期!
以上!
初投稿)2023 10/25(水)20:00

プリ小説オーディオドラマ