あなたが何を言ってるのか
よく分からなかった
あの記事が出たせいで誤解して…
そんな単純なことではないんだってことくらいしか。
そして、今はただ
あなたの声以外聞きたくないって思ったら
怒鳴ってしまっていた
僕はあなただけを見てたから
その怒号はあなたに向けられたようになってしまって
驚いて目を見開いた後、顔を伏せてしまった
あなたに言ったんじゃない
そんな顔させたかった訳じゃない
数ヶ月交わることのなかった僕たちの視線が
そんな風に離れてしまうのが嫌で
直ぐに否定する
そして 慌てて僕の肩に触れてる
黙ってほしい人の手を払い除けた
どうして、あなたが驚くの?
僕たち仕事以外何の関係もないのに
これからまだMVの撮影だってあるし
仕事上の関わりは続く。
ハッキリ言ってしまったら
これから先、気まずくなるかもしれない
だけど今までだって曖昧にしてきた訳じゃない。
僕はあなたに何の感情もないし
仕事上のお付き合いだけですって言ってるのに
分かってくれない女優さんにも
分かってもらうチャンスだよね
だから 離れてしまったあなたの手をそっと握って
怖がらせないように優しく言ったんだ
そんな風に言ったって
なかなか顔を上げてくれない
あなたの笑顔が見たいのに…
また、いつもみたいに僕に微笑んでほしいのに…
あなたが笑ってくれなきゃ
僕も苦しいままなんだよ
あの日からずっと
無理に笑ってきたんだから…
記事が出た翌日、韓国に帰ってきて
その前にも通話で誤解だって伝えてたけど
帰ってきてからも、ちゃんと話し合ったんだ
あなただって僕のこと信じてるって言ってくれて
数日間それまでみたいに愛し合ったのに
僕たちなら大丈夫って思ってたのに
あなたが突然消えちゃったから
やっぱり僕が悪かったんだって、ずっと自分を責めた
あなたに裏切られたとか一度も思ったこともないし
怒りなんてそんな感情よりも
ただ悲しかったし、悔しかった
あなたにそんな決断をさせたこととか
それに気づけなかったこととか…
だからね、どうしてこうなってしまったのか
どんな理由にしろ納得はできないんだけど
僕にもあの時のあなたの感情が理解できるよう
話してほしかったんだ
だけど あなたはやっぱり
僕には到底理解できないことばかり言うんだ
やっと顔を上げてくれて
また見つめ合えたのに
あなたの瞳は涙で溢れてた















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!