お腹を抱えて笑うローレンにツッコミを入れる
ツッコミというか事実
そう言いながら私の頭にポンッと手を置いた
こいつは頭を撫でたら許されると思ってるのかな
…… それで許してしまう私も私なんだけどね
その言葉に「 えぇ… 」と
明らか嫌そうな顔をしていたが、
元はといえば自分の態度が原因なんだから
文句は言わせない 。
辺りを見渡してとりあえず難しそうなのを探す
____ ふと視界の端に、大きなクマのぬいぐるみが
入っているケースを見つけた
高校生にもなってクマのぬいぐるみが欲しい、
だなんて言えなかった
それも相手はローレン 。
何を言われるかなんて考えなくてもわかる
私は視線を逸らして別の方向に足を進めた
財布を手にしたローレンが
両替機の方へ向かうのを見届けた後、
その近くを再び歩き出した
お菓子、ゲーム機、フィギュア …
種類は様々だけど特にピンとくるものがない
なんでも取ってもらえると喜んではいたけど、
その" なんでも " が難しい
別に要らないものを貰ったところで
置き場所に困るだけだし
そんなことで悩みながら
しばらく歩いていたところで、ある違和感を覚えた
両替をしてくると言って別れてから
5 … いや、10分は経っているはず
お札を入れて、出てきた小銭を
財布に入れるということだけで
そんなに時間がかかるとは思えない
…… もしかして迷子、?
ローレンが?それとも私?
あれ、てか私今どこにいるんだろう
周りの景色はずっとUFOキャッチャーと
人で埋め尽くされている
… ま、迷子センター行くべき、?
いや恥ずかしすぎる 。それ以前にゲーセンに
迷子センターなんてあるのか?
急に変な汗が出てきて、
その場に立ち尽くしていると ______
すぐ後ろから聞き覚えのある声が聞こえて振り返る
こちらに駆け寄ってくるローレンの手には
私が見ていたクマのぬいぐるみがあった
そう言って、両手に抱えたクマのぬいぐるみを
私に差し出した
もしかして …
これを取るために戻ってたってこと?
…… 私そんなに見てたっけ、??
一瞬見てすぐ目逸らしたはずなんだけど
でも、そんな細かいところまで見てくれている
ということを知れて胸がいっぱいになる
受け取ったクマのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる
先ほどまでローレンが持っていたからか、
ほんの少しだけ匂いが移っている
ローレンは少しだけ眉間に皺を寄せて
目元に手を当てている
… 嫌だったのかな
でも、これはもう私のぬいぐるみだし
名前をつける権利は私にあるよな 。うん













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!