チョコのお菓子に、クマのぬいぐるみ
数はたったの2つだけど
その2つの重みは、たとえ景品が1000個あっても
足りないほどの価値があると私は思った
その即答に笑みを漏らしながらも、
2人でゲーセンを後にした
ぬいぐるみを抱えて空を見上げると
すでに日が傾いて真っ赤に染まっていた
" 楽しい " という言葉に一瞬ドキッとした
ローレンも楽しめてくれていたことは素直に嬉しい
… だけど、なんだか気持ちがソワソワする
そんなことを話しながら
2人で肩を並べて街の中を歩いていく
ずっとこの時間が続けばいいのに … なんて
ありもしないことを考えながら
しばらく歩き、家のすぐ近くまで来たところで
突然ローレンの足が止まった
私の肩に手を置きながらある場所に指を差した
その指の方向にゆっくりと視線を移す
その先には、周りに家や建物が何もなく、
ただぽつんとあるごく普通の広い公園
でもこの場所は私たちにとって
たくさんの思い出がつまった公園だった
つい駆け出して公園の中に入っていく
真ん中にある大きめのブランコは、
昔と変わらずヒビが入ったままだった
ローレンも同じように、はしゃいだ様子で
私の隣まで走ってくる













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。