え?瑛宜が諦めようとしてる?
誰のことを?俺のことを??
隣にいるのが当たり前だと思ってた瑛宜が
俺を好きじゃなくなる
その未来だけは絶対に嫌だった
そう言って立ち上がる
海龍は追いかけてこない
靴箱へ向かう階段
俺一人の足音が響いていた
靴を履き不意に外を見ると
夕焼けの中ひとり歩く瑛宜を見つけた
足が止まる
瑛宜を呼び止めたい
でも声がでーへん
そんな自分が情けなかった
すると
瑛宜が振り返った
一瞬だけ目が合う
瑛宜は困ったように笑って
軽く手を振った
それだけだった
前みたいに近寄ってきて
「一緒に帰ろー!!!」
もない。胸が痛む
初めて思った
もう遅いかもしれん
俺が怖がって逃げてたせいで
すぐ目の前にいる瑛宜を失うかもしれへん












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!