学校行きたくない
欲を言えば一生外に出たくない
とか言いながら制服に着替えてしまっているのは僕がビビリな所為か
それともツカサくんの圧力か
「 着替えるから出てってよ。ツカサくん。 」
「 面倒くさい。 」
子供かよ。
ツカサくんはなぜか僕の部屋に数日住み着いている。
数日一緒にいてわかったことといえば
他の人から見えないこと
頑張れば他の人からも見えるようになること
そして人間ではないこと。
「 はぁ……。 」
「 溜め息は幸せが逃げるぞ。 」
どの口が言ってんだか。
ていうか
「 ツカサくんはなんでいつのまにか制服を着ているんだい⁇ 」
「 ルイを見張るためだ。 」
即答。
なんでそこまで僕に執着するんだよ…
あとどこから手に入れたんだ。その制服
Q.人間じゃあないのに学校に通えるのか?
A.ツカサくんならやりかねない。
もはや答えになっていない気がする。
そんなこんなしていたら時間だ。
「 あ“〜〜〜行きたくない……。 」
ぶつぶつ文句を垂れる僕
と隣にいる人間じゃあないなにか。
数日前まで1人だったのに。
「 その状態、他の人に見えてるの? 」
「 ああ 」
「 ふーん 」
ツカサくんが学校に通えるかどうかは置いておいて
退屈ではなくなりそうだ。
『 転校生の天馬司くんです 』
本当にやりやがった。
「 (どうやったらそんなことできるんだか。) 」
「 転校生の天馬司です!!よろしく 」
うわ、なにその笑顔
「 猫被ってんだろ…。 」
「 ………。 」
無言の圧力を感じる……。
幸運(?)にも周りは転校生の“天馬司”に気を取られていて聞こえていなかったらしい。
聞こえてればよかったのに。
我ながら嫌な性格かもしれない。
『 天馬くん!どこの学校から来たの? 』
『 よろしくね! 』
『 部活どこ入る? 』
『 ーーーーーー 』
『 ーーーー 』
『 ーーーーーー 』
『 ーーーー 』
……
面白くない。
「 ルイ 」
「 っ、! 」
「 あ、ぁ、どうした……ん、ですか、? 」
「 ……… 」
『 天馬くんと……神代、くん?、は知り合いなの? 』
「 ……ぃ、や…違います。 」
「 ……… 」
僕はただ平穏に過ごしたいだけ。
「 ルイ 」
「 ど、ぅ、したんだい…っ? 」
「 ……ルイ。 」
「 だから、どうしたんだい…? 」
「 ……… 」
「 ツカサく 」
ちりん。
「 」
ぐらり。
回って
回って
真っ暗
一面
黒。
僕はツカサくんに何を求めている?
希望?
ツカサくんが自分と違うことに嫉妬をしたのか?
だから他人のフリをして拒絶した?
平穏に過ごしたいという理由を付けて壁を作った?
これはつまらない自問自答だ。
ツカサくんと関わった時点で平穏なんてある訳がないと最初から解っていただろうに。
最初眠らされた時から解ってる。
もう逃げられないんだなって。
簡単に周りの人に馴染んでしまったから
僕と違うって解って、似たもの同士ではないって、解ってしまったから
仲間を見つけたつもり?
僕を求めてくれる人がいるって言う事実に自惚れていた?
逃げられないって解って、嬉しいと思ってしまった。
生きる希望が見えたから。
いつの間にかこんなに依存してしまったのか。
否、依存させられているのかは解らないが。
「 救いようがないな。 」
乾いた笑みだけが黒の中でさらりと溶けていった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!