NO side
いつもと変わらない呪術界。今日も五条悟と夏油傑、そして家入硝子は呪術高専に登校した。
本来ならば「最強」となるはずだった五条悟と夏油傑は、「最弱」だった。
人間と戦うことはまずできない。術式を使いこなせるかと訊かれたら答えはNOだし、体術できるかと訊かれたら、これもまたNOだ。
呪霊と戦うなんてのはハードルが高すぎて潜れもしない。
そんなことを隠したり誤魔化して生きて来たせいで、4級にも関わらず任務に行かされる。
普通に叫びながら逃げるだけだが。
任務の度にどうやって生き残るか相談しているし、初対面では家入と話すこともできなかった。そして普通に怪我をしまくる。虫如きで叫び散らかす。どうしようもない最弱コンビだ。
教室に入って来たのは紫がかった髪と眼をした美少女。あまりの美少女に、最弱コンビは息を呑む。
最弱コンビが声をかけれない中で一番にあなたの下の名前に声をかけたのは家入硝子だった。女子だからという理由で仲良くなれそうな気がしたのだろう。
早速あなたの下の名前が家入に対して少し身内ノリした。意外とフレンドリーかもしれない、と思った最弱コンビも挨拶することにした。
嫌われないように笑顔で接する。これに対するあなたの下の名前の返事が、
これだけだ。
またもや「よろしく」すら貰えなかった。
必死に生き残る術を考える最弱コンビ。
一方、あなたの下の名前は……
と、考えていた。
ここから始まる、最強の肩書きを背負うことになる少女と、これから強くなる男たち、それを見守る少女の物語だ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。