ぷりっつside

ななもりに頼まれた潜入作戦は早速明日決行しろとの事だったので、その前に悪魔界で怠惰な自分を最大限出してから天界へ向かう事にした。
授業を受ける気にはならない。
だからと言って遊びに行く程元気も無い。
何もしたくない、根源たる怠惰故。
唯一の気がかりと言っても過言では無い、ちぐさの容態について。
一行に起きる気配が無い。
あれ以来"とあ"も出て来ない。
一瞬、死んでしまったのでは無いかと錯覚しかけてしまうくらいに、彼は静かだった。

まぜ太とてるとのやり取りを思い出す。
死に至るリスクのある能力は、身体に保有しているだけでも寿命が刻一刻と減っていくような代物では無い。
しかし、とあの話的に察するにちぐさはその能力を無意識で発動している。
つまり、ほぼ常時的に、永続的に発動している。
ここから推測するに、ちぐさが堕天使になった時に記憶を失っていた事もこの自身の強力過ぎる無自覚能力による弊害、副作用のような物だったのでは無いか。
だからこそ、寿命の面でも記憶の面でも早くちぐさは異能力によってとあを消す必要がある。

だが、その方法がリスキー過ぎる。
精神を深く損傷させる可能性がある。
もし仮にそうなってしまえば、ちぐさはちぐさとは呼べない何か違う者に変わってしまう可能性だってあり得る。
それはちぐさの──俺達の望む事では無い。

不自然過ぎる堕天使。
その歪さに興味を惹かれているのかは分からない。
然しながらあの小柄で異質な少年に愛着が湧いているという事は確実で確かだと確信している。
ほんの少しだけ、いつもの巫山戯た感覚が心を紅潮させていく。
それはとても好ましい物で、憂鬱な気持ちが軽く晴れていく。
2人で歩く道は、傷の上を歩いているようで軋むような痛みが伝わってくるような気がした。
まぜ太の勧めで生徒会室に行く。
ソファにはブランケットを掛けて寝ているちぐさがいる。
少し汗をかいているが、この部屋は空調が効いている事から精神的な何かが関係している事は疑いようもない。
ちぐさと一緒にいた2週間程、とても楽しかった。
新しい刺激は、自身の成長と甘えを引き起こす。
踵を返すとまぜ太も引き留めるつもりは無いのだろう。
静かに俺の背中に視線を感じた。
──が、視線が外れたかと思うと、次に聞こえてきたのは驚愕の声音だった。
珍しく声を荒げて呼ばれたから、反射的に振り返る。
信じられない光景が目に飛び込んで来た。
これから更にリアルが忙しくなるのは必然的なので、投稿頻度も更に落ちます、ご了承下さい












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。