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そんな私達も現在では大学を卒業して22歳
私達は今日、警察学校に入校した
運良く陣平と同じ教場ということを知った私は勿論全身で喜びを表現した
よくよく教場の名簿を見ると、ハギも一緒だったがこの際陣平と同じ教場という部分が最も重要だった
そう、もう全身全霊でロクに信じてもいない神を崇め称えて全私が歓喜した
だが神を崇めるなんて、慣れないことはするもんじゃなかった
あまりにも大袈裟に天に向かって両腕を突き上げたせいで、拳が偶然にも近くを通っていた通行人の顎へと綺麗にアッパーがキマってしまった
その現場を、これまた偶然通りかかっていた教官(しかも私の教場担当)に見つかり、初っ端から目を付けられる事になった
何処の闇社会の住人だろうかと思わせるような形相で睨まれた
怖すぎて小鹿並に足がプルプルしたよねうん
あの人本当に私達をこれから半年間指導する教官か?
私達が取り締まる側じゃなくて?(史上最高に失礼)
第一、あんな所を通るんじゃない 名も知らない通行人よ
男で、しかもこれから警察官になろう者がこんなにか弱い成人女性(但し、ボクシング経験あり)の拳で一発退場ってどーゆーことだ
お前の人生それで良いのか 22歳女性からの一発でエンドで満足か
…………自分の非を認めずにグダグダ心の中で理不尽極まりない文句を吐くお前の方が警察官に向いてないとか、そんな冷たい事を言われそうだからもう辞めよう
これ以上弁解するのは切なくなってくる
先程まで陣平達と同じだった事で有頂点だった私のテンションは、ジェットコースターも驚く程に急降下していた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。