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さっきから居ないなと思っていた片割れも私達と合流する
何処に行っていたのか聞くと、「そこら辺」と返された
ふーん…と適当に流していると、陣平が私の顔をじっと見つめてきた
ハギに茶化されても視線は逸らさず、私とお揃いの青が私の表情を見透かして私自身を見つめているようだった
心做しか心配しているようにも見える
全然、大したことで落ち込んでないのにな
実際私の不注意が一方的に悪いだけなのに
こんなに細かいことまで気がついてくれる陣平に、心が温かくなるのを感じた
何してんだお前!と思わず私の肩を揺さぶる陣平にケラケラと笑っていると、「何笑ってんだよ」と頬を摘まれた
その言葉にムスッと顔でそっぽを向いてしまった陣平に、ハギが「うわ陣平ちゃん照れてんの?」とからかいを入れる
当然陣平はハギの言葉にキレて追いかけっこが始まろうとしていた
いや小学生か
うん そこで素直に納得するハギを憎たらしいなんて、1ミリたりとも思ってないからね私は
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!