第15話

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2024/06/26 16:24
あなた
さ、悟!?
呪詛師
五条悟!


振り向くと、そこには私にいつもの優しい
笑顔を向ける悟が立っていた。

五条悟
助けるのが遅れてごめんね
姉ちゃん。もう安心して。


そう言いながら私に近づき抱きしめられ
安心感からか、私は自然と涙が出てしまった。

あなた
悟、私…いつも役に立たなくて
ごめんね…ッ。悟を助けるって…
決めていたのに、また
助けられちゃって…本当にごめ__
五条悟
ううん、謝るのは僕のほうだよ。
姉ちゃんが危険な目に遭っていたのに
すぐに助けられなかった。
…こんなにボロボロになって。
もう大丈夫だから後は任せて。


そう言い終わると、悟からゾワッと
殺気が伝わってきた。

五条悟
…俺のあなたの下の名前を傷つけやがって。
絶対許さねぇぞ。
あなた
(あの悟が本気で怒ってる、
私のために…。)
呪詛師
フン、ようやく現れたな馬鹿め!
姉と一緒にお前も殺してやるよ!!


そう言うと持っていた武器で悟に
飛びかかったが、悟は涼しい顔で
無下限を使って攻撃を止めた。

五条悟
お前みたいな雑魚に、僕が
やられるわけないだろ。
呪詛師
なっ!?何故だ、何故効かない__


そう言っている途中に次の瞬間、呪詛師の
手と足が突然捻り潰された。

呪詛師
グアアアア!!??
あなた
ヒッ…!?
あなた
(今のは悟の術式…!?
強くなったとは言ってたけど
あんなことまで出来ちゃうの!?)
五条悟
…あ、ごめんね怖かったよね!
よしよ〜し大丈夫だよ〜!
あなた
あ、あぁ…。
五条悟
そういえば姉ちゃんって昔から
こういうグロいやつ苦手だったもんね。
でももうコイツは悪さ出来ないから
心配しなくていいんだよ。


そう言いながら私の頬を優しく撫でて
くれていたけど、無意識に身体が震えてしまう。

五条悟
こんな雑魚のせいで疲れたでしょ?
夜も遅いし、姉ちゃんはもう寝よっか♡
あなた
え、でもこんな所で寝るわけには__


そう言いかけると悟が撫でていた手で
私の目を覆い被さった。

五条悟
…おやすみ、あなたの下の名前。


その瞬間、急激に意識が遠のいたと同時に
最後は呪詛師の断末魔が聞こえた気がした。














あなた
…ん、んん。あれ、もう朝?


しばらくボーッとしていたものの、
すぐさま何かの香ばしい匂いで目が覚めた。
あなた
(何だろう…何か
美味しそうな匂いがする…。)


匂いにつられて歩き出した途端に
違和感を抱き、慌てて外の様子を見た。

あなた
…ここ、私の家じゃない。


一気に頭が真っ白になった。
そして昨日の記憶を遡ってみたが
曖昧すぎて覚えていなかった。

あなた
(確か悟が私を無理やり眠らせて…
呪詛師の叫び声?みたいなのが
聞こえて…その後どうなったっけ!?)


昨日の記憶からすると呪詛師の可能性は
考えにくい。というか可能性あったら
とっくに私は殺されている。とすると__

五条悟
あ、姉ちゃん起きたの?
おはよう♡
あなた
お、おはよう…。


    …やっぱり悟の家だったか……。
五条悟
ちょうど良かった〜、朝ご飯
作ったから食べてみて!
結構自信あるから。
あなた
え、わざわざ作ってくれたの!?
…わ、確かに美味しそう。
いただきまーす…。


パクリ

あなた
お……美味しい!!
え、何コレ!どうしたら
ここまで美味しくなるの!?


まさか料理まで完璧とは…。
もう私が悟に勝てるもんと言えば
お酒ぐらいしかないな。

五条悟
良かった、気に入ってくれて。
まだあるからいっぱい食べてね。
あなた
ありがとう悟、助かったよ。
にしてもやっぱり凄いね悟は。
悟と結婚する人が羨ましいな〜!
五条悟
ピタッ


ん?あ、あれ?悟の動きが急に止まっ__

五条悟
…ごめん姉ちゃん、今何て?


クルッと振り向いた悟の顔は
笑顔だけど目が笑っていなかった。

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