第2話

୨୧ 𝟷. 伊達の刀
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2025/12/04 12:09 更新
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
おはよう!
俺みたいなのがいきなり押しかけてきて驚いたか?
𝑦𝑜𝑢 .
うん…でも、ちょっと元気出たかな

朝、目覚めると鶴丸がやはりそこにいた。
いつも通りの飄々とした笑顔で挨拶をする彼を見ると、
なんだか安心する。
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
あれから…体調はどうなんだ?
𝑦𝑜𝑢 .
だいぶ、落ち着いたかな。
またいつああなるかはわかんないけど
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
…そうか。
でもまあ、主に死なれては俺たちも困る。
今は自分を大事にしてほしい
𝑦𝑜𝑢 .
うん…わかった

昨日書類をやろうとしたことを、この刀は
まだ根に持っているのだろうか。

とりあえずこの不調の原因は本丸維持のための霊力の消費によるものだと思う。
出陣とか遠征とかをやめたら、
少しは進行を遅らせることが出来るかな…?
でも、それだとここが本丸である意味が無くなる。
いっそ霊力回復を謳った怪しい薬を飲んでみるかとすら
思ったが、絶対に止められる。
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
すまんな。…まあ、それはさておき俺は
光坊から朝食を運ぶのを頼まれたんだ。
ここに置いておいていいかい?
𝑦𝑜𝑢 .
うん、ありがとう。
燭台切にもそう伝えといてね

枕の近くに置かれた朝食の、
暖かい香りが鼻から入ってくる。
やはり身体は重いので、起き上がるときに必要な力は
日々大きくなっていっている。
𝐻𝑎𝑠𝑒𝑏𝑒 .
鶴丸!そこに居るなら出てこい!
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
まずいな…
長谷部がご立腹のようだ
𝑦𝑜𝑢 .
今度は何やらかしたの鶴丸…
私のことはいいから長谷部に謝ってきてよ
鶴丸が出て行った後の自室はひっそり閑としていて、
朝食を食べた後、退屈さから
障子の隙間から差し込む光と影の境目を見つめていた。

鶴丸、早く私のとこに戻ってきてくれないかな。
あなたが居ない主の部屋は
驚きも興奮も喜びも、なんにもなくて
ほんとうにつまらないの。

そういえば、昨日の私は鶴丸に今日の掃除当番をお願い
していたようだが、
その判断をここで恨むことになるとは。




喉が渇いた。
飲み物を探しに厨にでも行こう。
立ち眩みも今の所ないから大丈夫。
布団から起き上がり、部屋から出た。
相変わらず身体が重いので、
なるべく誰にも見つからないように
厨まで行きたい。見つかってしまうとまた
心配をかけてしまいそうだから。
厨に行くと、燭台切と太鼓鐘が
遠征組の弁当を用意している最中だった。
𝑀𝑖𝑡𝑠𝑢𝑡𝑎𝑑𝑎 .
おはよう主。
体調の方は大丈夫かな?
𝑦𝑜𝑢 .
今日は何故か調子が良いの。
あと、朝ごはんありがとう。
とってもおいしかった
𝑀𝑖𝑡𝑠𝑢𝑡𝑎𝑑𝑎 .
そう言ってくれるとこちらも嬉しいよ。
でも、少し回復したからって
無理しちゃだめだよ
𝑇𝑎𝑖𝑘𝑜𝑔𝑎𝑛𝑒 .
みっちゃんの言う通り、
今は休んでおいた方がいいと思うぜ?
飲み物を取りに来ただけなのに
なぜかすごく心配されている。
𝑦𝑜𝑢 .
あの、何か飲むものが欲しくて…
𝑇𝑎𝑖𝑘𝑜𝑔𝑎𝑛𝑒 .
まじでわりぃ、
完全に飲み物の存在忘れてた!
太鼓鐘は急いで冷蔵庫の中を探し始めた。
冷蔵庫だけでなく、戸棚の中など
あらゆるところから
今すぐ出せそうなものを探してくれた。
𝑇𝑎𝑖𝑘𝑜𝑔𝑎𝑛𝑒 .
すまねぇ…何も無かった。
何か用意すっから
ちょっち待ってくんねぇか?
作業の邪魔になるかもしれないので遠くでしばらく
待っていた。
差し出されたのは湯気が少しだけ出ている白湯。
少し息を吹きかけて冷ましてから
口にした。
温かい。火傷しそうなほど熱くはないので、
すぐ飲めるように少し水を入れて
冷ましてくれたのだろう。
口の中で、ほのかにレモンの酸味が香った。
私に気を利かせてくれたのかな。
実に彼らしい。
𝑦𝑜𝑢 .
ん〜生き返る〜!
𝑇𝑎𝑖𝑘𝑜𝑔𝑎𝑛𝑒 .
後で万屋行って、部屋ですぐ
飲めるようなもん買ってくるぜ!
他にもなんか欲しいもんあったら
遠慮なく言えよ?
𝑦𝑜𝑢 .
他には…特にないかな
𝑦𝑜𝑢 .
じゃあね!
𝑀𝑖𝑡𝑠𝑢𝑡𝑎𝑑𝑎 .
お大事に、ね
縁側にて。珍しく大倶利伽羅が座っていた。
こちらに気付き、相変わらずの無表情で私のことを
見つめた。
𝑂𝑘𝑢𝑟𝑖𝑘𝑎𝑟𝑎 .
…あんた、体調を崩したんだってな
𝑦𝑜𝑢 .
うん…まあ、今は大丈夫だけどね
𝑂𝑘𝑢𝑟𝑖𝑘𝑎𝑟𝑎 .
…もっと俺を頼ればいいものを。
あんたは俺がそんなに信用できないのか
𝑦𝑜𝑢 .
ごめんね。
あんまり自分が無理してるっていう
自覚なくって
𝑂𝑘𝑢𝑟𝑖𝑘𝑎𝑟𝑎 .
取り敢えず今は休め
書類仕事とかいろいろあるけど…
とりあえず彼の言う通り休むべきだ。
その夜は、月明かりが綺麗な夜だった。
障子を開けていたら
月の明かりだけで本が読めそう。
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
…『月が綺麗ですね』、主
𝑦𝑜𝑢 .
うん。今夜はとっても綺麗。
せっかくこんなに綺麗なんだから、
縁側に出て眺めよう?
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
…ああ
𝑦𝑜𝑢 .
…私の話、してもいい?
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
ほう?どんなのだ?
縁側から庭に出て、月を反射した水面を見ながらわたしは口を開いた。
これを言うかどうかはずっと迷っていたけれど、
みんなに心配かけている以上、言わなければならない
ような気がしたから。
𝑦𝑜𝑢 .
私ね、実は審神者としての資質が
全くないの。代々審神者をやっている
家に生まれたんだけど。
だから親は私が審神者以外
の道を歩むことを許さなかったの
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
……
𝑦𝑜𝑢 .
それで言われるがまま私は
審神者になったの。
本丸が大きくなるにつれて
消費する霊力も増えてきて
今まさに限界がきているところなんだ
𝑇𝑠𝑢𝑟𝑢𝑚𝑎𝑟𝑢 .
限界…ということは、
きみ、まさか…!
𝑦𝑜𝑢 .
うん。
私はもう長くはないの
鶴丸はただ茫然としていた。
もっとはやく言うべきだったかもしれない。
𝑦𝑜𝑢 .
みんなに、頼れない主だと
思われたくなくて…
今までずっと黙ってたんだ
𝑦𝑜𝑢 .
でも、出陣の回数を減らしたりとか
手入れを疎かにしたりはしない。
これは本当に私の我儘なんだけど…
最期まで私を普通の審神者のままで
居させてほしいな
鶴丸は少し黙った後、






𝒕𝒐 𝒃𝒆 𝒄𝒐𝒏𝒕𝒊𝒏𝒖𝒆𝒅…

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