――その日、6人のもとに、一通の手紙が届いた。
差出人の名前はない。
真っ白な封筒。
そこに書かれていたのは、それぞれの名前だけだった。
そして、中に入っていたのは一枚の紙。
"『あなたを、とあるゲームへご招待します。』"
それだけだった。
怪しい。
そう思うのが普通だった。
けれど、不思議なことに――誰一人として、その手紙を捨てることができなかった。
そして数日後。
6人は、同じ場所に立っていた。
目の前に広がっているのは、深い霧に包まれた古い荘園。
周囲には木々が生い茂り、遠くから聞こえるのは風の音だけ。
stが、手元の招待状を見ながら呟いた。
返事はない。
nmが辺りを見回す。
rnが不安そうに荘園を見上げる。
jrが苦笑する。
cnは今にも逃げ出しそうな顔で後ろを振り返った。
rtがそう言った瞬間だった。
――ギィィ……
目の前の大きな門が、ひとりでに開いた
6人の間に、沈黙が落ちる。
風もない。
誰も触れていない。
それなのに、門だけがゆっくりと開いていく。
まるで――
"最初から、6人を待っていたかのように。"
nmが小さく言った。
誰も答えなかった。
けれど、帰る道も分からない。
結局、6人は荘園の中へ足を踏み入れた。
一歩。
また一歩。
門をくぐった、その瞬間。
――バタンッ!!
背後で、大きな音がした。
cnが飛び上がる。
振り返る。
門は、固く閉ざされていた。
rnが門に近づく。
押してみる。
動かない。
jrも扉を押してみる
jrの声から、さっきまでの冗談めいた雰囲気が消える。
そのとき。
――コツ、コツ、コツ。
荘園の奥から、誰かの足音が聞こえた。
6人が一斉にそちらを見る。
霧の向こうから、一人の人影が現れる。
黒い服を着た、見知らぬ人物。
男は、6人を見渡して微笑んだ。
rtが尋ねる。
男は答えなかった。
代わりに、持っていた箱を静かに開ける。
中には――
"白い封筒が6つ"
nmが眉をひそめる。
男は6つの封筒を、机の上に並べた。
6人が顔を見合わせる
男は淡々と続けた。
一瞬だけ、男の笑顔が消えた。
空気が凍った
男は6人を見渡す
誰も口を開かない
男は、ゆっくりと人差し指を立てた。
机の上に、6枚の封筒。
6人は、それぞれ一枚ずつ手に取った。
誰も中身を見ない。
まだ。
ただ――
全員が、自分の手の中にある封筒を見つめていた。
男が告げる。
――カサッ。
6人の指が、一斉に封筒へ触れた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!