あなたに案内され、カウンター前の椅子に腰掛ける。
あなたは乱雑に置かれている酒を数本取り出し、シェイカーに入れた。
シェイカーを振るあなたの姿はとても華麗であのだらしなさとはかけ離れていた。
そう言ってグラスに注がれた酒が俺の前に置かれた。
ミントの香りが鼻を掠める。
ひと口飲んでみると確かに甘い。
いえばチョコミントの様な味だ。
後味がミントでスッキリしている。
あなたはシェイカーを洗い終えた後煙草を咥え、ディーラーの元に向かって行く。
そして懐から何かを取り出しディーラーに渡していた。
渡していたのは金だ。
金に執着してそうなのにあんな簡単に上げるんや。
そう言って大先生はうっとりした目であなたを見つめて酒を飲み干した。
あいつ、ほんま不思議な女やな。
まあ悪い女じゃないのは分かった。
でも負けたのはまだ根に持ってるし、クソ程悔しい。
あんな余裕そうに笑って、
思い出すとイラつくわ。
それを打ち消すように目の前の酒を飲み干した。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!