俺は今、お店のカウンターで店番をしながら一人項垂れていた。
入学式が終わりお昼に帰ってきてすぐお店のお手伝いを始めたのだ。入学式という祝い事には花は欠かせないからか花屋は大忙しなのである。主に両親が。
別にそれに文句はない。無いのだが、クラス割りに関して俺は物申したい。
なんで俺はいつも葵と離れてしまうんや!!
そこはさぁ、察してくれよ。同じクラスにしてくれよ。俺元は陰キャなの。
自分から人に話しかけるとか無理よ?泣くよ?
はぁ……。
またもため息を吐きそうになった時、カウンターに突っ伏している耳元でコンコンとカウンターを叩く音が聞こえた。
ムクリと起き上がる。
ゴツンと額をカウンターに押付けてまた突っ伏した。
腕の隙間からアルケーさんを見上げるとニッと笑いかけてくる。あぁ、イケメンである。
このイケメンがしのさんやらかなめさんやらと隣にいる時はとんでも厨二病に変身するのだから人間って怖い。
カーネーションといえば母の日を思い浮かべるが、4月から6月に咲く花で案外日持ちも良くて飾るのにはおすすめだ。
カーネーションを包む手が一瞬止まってしまったが平常心を装って無理に手を動かした。
アルケーさんも身近な人が誰か亡くなっているのだろうか。
でも、お墓に供える花をここで買ってくれて嬉しい。
俺は包んだカーネーションをアルケーさんに渡しながら口を開く。
ポンッと俺の頭に手を置くと、花屋を出て行った。
その後ろ姿を見ながらそういえばと思い出す。
生きてるのに命日ってなんだか変な気分だ。
頭を降って飲み物を飲もうと一度2階に上がる。
リビングを覗くと胡羽季と舞蝶がそろってテレビを見ている後ろ姿が見えた。
近づいてテレビを見るとそこにはスーツ姿の甲斐幸也選手が映っていた。これはもう見るしかなく、双子が座る後ろで立ち止まる。
そうして甲斐選手が放った次の言葉に俺は泡を吹き出して死ぬのである。
今日が俺の二度目の命日である。
アンケート
受験、頑張れ!!
頑張ります!
19%
緊張:(´◦ω◦`):カタカタ
8%
受験生ガンバ〜!!
60%
終わった!(色んな意味で)
13%
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。