……と、これが【一丁目殺人事件】についての資料。
僕は、新しく起こった事件。【二丁目殺人事件】を調べるため、天領奉行にある【一丁目殺人事件】の資料を見ていた。
そして奉行所内にある資料を読み漁ったけれど【二丁目殺人事件】と関連性があるのはこの資料のみだ。
だけど【一丁目殺人事件】は有名な事件では無いし、そこまで調査に時間もかからなかった。
指紋を調べて、容疑者を出して、裁判をして終了。
そりゃあ、資料の数も少ないはずだ。
むしろ、調査方法や当時の状況についての資料なんかは全くなかった。
少なく内容も薄い。まったく、誰がこんな資料を作ったんだか…。
そして、【二丁目殺人事件】は明らかに何かがおかしい。
これは、探偵の出番だね。
僕は数時間前、とある女性から依頼を受けた。
その女性は佐々木結子と言い、佐々木康介の妻だそうだ。
依頼の内容はこうだった ───────────
───────── そして、結子さんと別れて資料を探してみたら、まぁそれはまた酷い資料だったよ。
なんと資料はたったの新聞一記事だけ!!
『【一丁目殺人事件】には続きあり!?【二丁目殺人事件】犯人は同一人物か…!?』
2023年 6月14日 水曜日
○○県 ××市にある二丁目の路地裏で殺人事件が発生。
遺体は竹田浩(35)。どら焼き専門店「こがし屋」の店長で妻と1人の息子をもつ父親。
犯行は包丁により行われたもので、死因は出血死。
遺体は横向きに倒れており、右腕の人差し指が斬り落とされていた。
この殺人は、5年前に起こった【一丁目殺人事件】によく似ており、包丁からは当時の犯人 佐々木康介の指紋が鑑定された。
天領奉行は、引き続き調査を進めている。
雑すぎるよ!!!!
他に資料はなかったの?
この事件の共通点は、「死因は出血死。」、「遺体は横向きになっていた。」、「包丁についていた指紋はどちらも佐々木康介のものだった。」ということ。
そしてこの事件の異なる点は、「殺害場所。」、「斬り落とされた指。」ということ。
なにか引っかかるのが、斬り落とされた指。
なぜ犯人はわざわざ指を斬り落としたのか。
これにはなにか理由があるんじゃないかと思う。
【一丁目殺人事件】では親指。
【二丁目殺人事件】では人差し指。
この推理はとても安直なものになるが、この指は殺害場所を示しているものだと思う。
となると次は三丁目…だけど三丁目は人通りが多い。
あそこでの殺人は、必ず誰かが目にすることになるだろう。
犯人もそんなところで犯行はしないと思うし…でも、だからといって他に考えが浮かばない。
少し三丁目へ足を運んで、調査をしてみるのもありだな。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。