Latte side ☪︎
モニターに映っていた自称“ゲームマスター”には現実味がなかったが、私の感覚に感情に、表情には妙な現実味があった。
───そのせいか、これは夢だと割り切ることができなかった。
このまま考えていても埒が明かないと思った私は、とりあえず役職を見ることにした。
…別に、ゲームを本気でやってやろうって訳じゃないし、死ぬのが怖くない訳でもない。
でも、何故か腹が立った。これが“初めて”のはずなのに、幾度となく弄ばれている気がした。
私はモニターのうしろを覗き込む。
…と、モニター裏の壁になにやら紙が貼ってあった。
こんな回りくどいやり方をするのは、アイツの趣味なのだろうか。
紙をぺりぺりと剥がし、2つ折りになっていた紙を広げる。
Latte様。
あなたの役職は───“ ”です。
その紙の内容を理解した瞬間、脳内に電撃が走った…と思うほどの衝撃が走った。
言葉には表せない不快感。吐き気を催す邪悪な感覚。
無理やりにでも表すのなら、“記憶が書き換えられる感覚”だ。
脳内がぐちゃぐちゃと掻き回され、じぶんのいしがわからなくなる。
───かきかわったきおくと、わたしの“もとのじんかく”とがいれかわっていく。
誰にも届かない断末魔のような声をあげ、私の意識は一旦途切れた。
今度の感覚は、あきらかに“夢”だった。
身体がだるく、今すぐにでも寝てしまいたかった。
…まぁ夢、なのだけども。
そんな中、iemonさんが声をあげた。
これは会議中?人数は私含め13人と、村民全員が参加して───
とそこで私は違和感を感じた。
私、iemonさん、ウパさん、めめさん、ぐさおさん、八幡さん、みぞれさんの7人以外は生気が抜けたように椅子にもたれかかっていた。
目を凝らすと、私たち以外の人たちは───
───この世に、存在していなかった。
私は恐怖を感じ、小さく声をあげた。
だが私の身体は私の意思に反して、いたって普通に会議を始めた。
そして続けてカミングアウトする。
所詮夢ということなのか、私の意思で身体を動かすことはできなかった。
夢の中の私は、そう告げたあと本を開き始めた。
───馬鹿じゃないの、これイビルゲッサー入りでしょ?
そう思おうが行動は変えられないし取り返せない。
なにぶん能力を使うのが初めてだったもので、ぺらぺらとページを捲りつつ戸惑っていると、八幡さんがため息をついた。
このままでは能力が使える気がしない、と夢の私も思ったのか、ちら、と八幡さんの方を見た。
そして、私が見たのは予想を大幅に外れた八幡さんの姿だった。
八幡さんは銃をこちらに向けていた。
身体が動かない代わりに頭は働いて、八幡さんの役職を理解した。
───“イビルゲッサー”、嫌な予感が的中したのだ。
そう考える間に八幡さんは引き金をひく。
銃弾が目前にせまった…っ───
そうだ、これは夢だった。
夢だと理解しているのにも関わらず、現実と錯覚するほどのリアルさ。
…まるで、過去にそれを自分が“経験したことがある”ような。
段々と息が落ち着いてきて、冷や汗に不快感を覚えた。
硬い床から身体を起こし、記憶から振り払うように頭を降った。
それに合わせるように放送が鳴り出した。
学校でよくあるあれのつもりなのだろうが、自分で言ってしまったらそれはもうきもいしか浮かばない。
そう言ったあと、ブツっという音を鳴らして放送は切れた。
始まりは気持ちの悪い声を出していた癖に、終わりのときはなにも言わず突然切るのはなんなんだ…
…まぁ、1回置いておいて私は扉の方へ向かった。
寝起きだし、床で寝ていたしで体が痛いが、このままよく分からず終わるってのも腹が立ったから。
そして、アイツに言ってやるんだ。
───「バカがよ!!!!」ってね!
アンケート
私って何歳くらいに見えてます??
幼稚園!!
26%
小学生??
11%
中学生一択!!
49%
高校生とか???
15%
投票数: 257票


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!