職場体験が終わった、その翌日。
教室に高らかに響き渡ったのは、
心底面白いが滲んでいる笑い声だった。
再度、声の揃った綺麗な大爆笑。
中原は見た瞬間にツボにはまって死んだ。
今も自分の机に顔を伏せて笑っている。
家族仲が良くはなかった、
今でも良くは無いのは既に聞いている。
嗚呼、云うのは臓腑が煮え滾るような心地がしたのだろうか。
それとも何か心境の変化があったのだろうか。
其のヒーロー殺しに兄を害されたんだから、
迂闊に崇拝してはならないのに。
陰険な雰囲気を払拭して、
今日もまた一日が始まる。
人助けに興味なぞ無いし、
此の在り方が間違っているとは思わない。
此の独善的で偽悪的な思考のうちに、
何も考えず使われて捨てられて、辿る結末に__
嗚呼、結局自分の根っこは太宰と同じなのか?
小さな嘲笑を一つ、ぽとんと溢した。
喧騒に紛れて消えていく、小さな嘲笑だった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。