第184話

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2026/08/04 23:36 更新







     アキラのPCから流れた私そっくりの
     声に耳を疑った





あなたの下の名前
  こんにちは、終夜あなたの下の名前です  
あなたの下の名前
  ....いや、正確には私のコピーかな  





     私のコピー、その単語を
     頭の中で何度も繰り返してようやく理解した





     この音声、コピーされた私が
     私の本当の思いを伝えてくれるんだ、と






あなたの下の名前
  お兄ちゃんたちへ  
あなたの下の名前
  今まで私を家族として接してくれて  
守ってくれてありがとう__





あなたの下の名前
  奏斗たちへ  
あなたの下の名前
  私はみんながいてくれて本当に  
よかったって思ってる





     そんなお兄ちゃんたちに言葉を紡ぐ
     私の声はコピーなのにも関わらず
     泣き出しそうに震えていた





     そして、ヒーローへ思いを伝えた時





あなたの下の名前
  最後に、私を救ってくれたヒーローたちへ  
あなたの下の名前
  今まで酷いことしてごめんなさい  
ちゃんと向き合えなくてごめんなさい





     最後まで聞かなくてもすぐにわかった
     私が泣いているんだと





     コピーであっても、私は私なのか
     感情があるみたいで、鼻を啜る声が微かに聞こえた






あなたの下の名前
  でも、最後まで声をかけてくれてありがとう  
あなたの下の名前
  おかげで私は記憶を取り戻せたし  
大切なものを思い出せたと思うから、だから




あなたの下の名前
  __だから、自分を責めないでね  
あなたの下の名前
  貴方たちは優しいからきっと今  
自分を責めているんでしょう?





     私がそういうと、イッテツは泣いていた
     奏斗も雲雀も、アキラもセラも前から泣いていた
     兄である叶と葛葉だって声を殺して泣いていた





あなたの下の名前
  これは私が決めたことだから  
私が、勝手にやったことだから
あなたの下の名前
  貴方たちが責任を感じる必要はないの  






     みんなの泣いている姿をみると
     こんなにも自分は愛されていたんだって
     強く思い知らされる




あなたの下の名前
  もし私の葬式が終わっても自分を  
責め続けていたら私が許さないからね
あなたの下の名前
  これはお兄ちゃんも奏斗たちもみんなだから  





     最後には、泣いていた声も収まって
     明るい声色になっていた





あなたの下の名前
  私ね、みんながいてくれたから  
今の私がいると思うの
あなたの下の名前
  だから、本当に感謝してる  
あなたの下の名前
  みんなは最後まで生きてね、絶対だよ  
今までありがとう、さよなら__





     さよなら、の一言でぶつと
     機会の切れる音が聞こえる





     みんなに愛されていて、もっと最初から
     みんなに思いを伝えてればよかったと思った





     こんな状況じゃなくて、ちゃんと対面で
     恥ずかしさとかも全部捨てて、素の私で
     思いを伝えてればよかったなって....


















      それから、イッテツたちは
      他のヒーローにも音声を聴かせていた





      すると、他のヒーローもイッテツ同様
      沢山泣いていた、私を思って泣いてくれていた

















      葬式の時になる頃にはみんな
      思い詰めた表情なんてしていなくて
      私の言った通り、自分を責めていないようだった




hur
  なぁ、あなたの下の名前  
hur
  もし、僕が自分を責めたらあなたの下の名前は  
僕を叱りにきてくれる?





     棺に入っている私に向かって
     頬を濡らしながら尋ねてきた最愛の人




     思い返したら、奏斗が想いを伝えてくれた時
     お付き合いしとけばよかったなって後悔する





     私も好きだけど付き合えない、なんて
     中途半端な言葉じゃなくて、ちゃんと
     奏斗と付き合えたらこんな苦しい
     思いは奏斗もしなかったはずなのに





hur
  なんて、言っても無駄だよね  
hur
  たまには夢の中にでも出てきて  
僕のところに会いにきてよ
hur
  僕はずっと待ってるから  





     奏斗の顔は今までに見たことのない
     悲しげな顔で、それをみた雲雀も
     驚いていた





     雲雀も奏斗と同じ見たことのない
     悲しい顔をしていて、泣きじゃくっていた
















     私の葬式が終わって数ヶ月したころ





     私のお墓には奏斗たちもイッテツたちも
     お兄ちゃんたちもきてくれた





     来た時には毎回、お花を変えてくれたり
     色んな話をしてくれた





     そんな今日は奏斗や雲雀たちが来てくれた







hur
  あなたの下の名前久しぶり  
wtri
  今日はあなたの下の名前がいなくなってから  
もう3ヶ月かぁ〜
srp
  思ったよりもあっという間だったね  
skng
  あなたの下の名前は元気にしてますか?  





     みんないつまでもどこまでも優しくて
     今でもわたしがいるみたいに話しかけてくれる





     せめて一回でも話ができたなら
     もう一回だけ面と向かって話ができるなら







あなた
  (  ありがとうって言いたい  )  





srp
  __ 最近の任務は危ないものばっかだよね〜  
wtri
  まじでそうなんだよな〜!  
skng
  今日も任務あるんですから  
だらけちゃいけませんよ
hur
  じゃあ、そろそろ行くね  
また来るからじゃあねあなたの下の名前





     待って、行かないで
     まだ言わないといけないことがあるから



     今言わないともう言えない気がするから
     会えない気がするから、まだ行かないで






     まって、待って__





あなた
  __っ待って!  
hur
  え....?  
srp
  あなたの下の名前....?  
skng
  あなたの下の名前....そこにいるんですか....?  





     私の気持ちが強かったのか
     みんなに姿は見えないが声が聞こえたらしい




     今、今言わないともうきっと言えないから
     姿が見えなくても最後にしっかり
     伝えるべきことを伝えないと





あなた
  ....ぅん、いるよ  
あなた
  ずっとありがとうって...言いたかった  
ごめんって、言いたかった





     泣くつもりなんてなかったのに
     自然と目から涙が溢れて泣いていた





あなた
  奏斗の気持ちにも中途半端で答えたし  
ヒーローも家業も全部中途半端なままで
あなた
  みんなに...迷惑かけてばかりで....っ  
wtri
  あなたの下の名前、俺らは迷惑だなんて  
一回も思ったことないよ
wtri
  だから、今度はあなたの下の名前が自分を責めないで  
責めたら俺らが許さないから
hur
  そうだよ僕は、俺は、あなたの下の名前に  
中途半端な返事をされたとは思ってないから
hur
  そんな深く思わないでよ  
泣かないでよ、ね?





     見えないはずなのにみんな優しく
     微笑んでくれて、気にしなくていいって
     言ってくれて心が温まる




あなた
  うん、ありがとう  
あなた
  ....ねぇ  





     もう、時間がない気がして
     最後に声をかける




srp
  どうしたの?  
あなた
  お兄ちゃんたちとイッテツたちに  
ありがとうと大好きって伝えて





     私が気恥ずかしそうに言ったのが
     伝わったのか、笑いながら了承してくれた




srp
  あはは、いいよ笑  
ちゃんと伝える笑
hur
  えー、じゃあ僕たちにはー??  





     だんだんと自分の体が軽くなっていく
     私は最後まで、みんなに愛されて幸せだった




あなた
  ....大好きだよ笑  
いつもありがとう笑





     その言葉を言い終わった時、視界が
     白くなって体が宙に舞った気がした




     視界が白くなる前、奏斗、雲雀、アキラ、セラ
     みんなと目が合った気がしてその時はちゃんと笑えた













     私は最後まで生きられなかった
     ちゃんとした人生は送れなかった





     でもそれ以上に、大切な人がたくさんできて
     大切な人にたくさん愛された





     最後に笑顔で終われて、大切な人に
     伝えたいことを伝えれた



















     これで私の不完全で完璧な人生は本当の終わり




     今までありがとう大切な人たち





     そして、さようなら大好きな人たち__




























        さようなら、大好きな人 Fin












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