第11話

10話
947
2026/01/24 04:01 更新





安室透side







夕方、来るお客さんが少なくなってきた頃グラスを拭いているとカランカランとベルが鳴った








安室透
いらっしゃいませ!




ドアの方に顔を向けると、昨日ぶりの真っ黒な人と昨日とは別の人がいた



安室透
あなたさんじゃないですか!
あなた
こんにちは
安室透
そちらの方は、?
土御門蛍
あなたさんの連れの蛍です
土御門蛍
貴方のお名前は?
安室透
僕は安室透と言います






2人を席に案内してお水とメニューを渡して厨房に戻り、2人の会話を聞いていた







土御門蛍
俺ハムサンドとカフェラテにしますけどなににします?
あなた
ホットコーヒー飲んで寝たいです..
土御門蛍
分かりましたアイスコーヒーですね
あなた
なんにもわかってないよこの子泣泣



携帯の通知が鳴り、あなたさんがスマホを見るなり席を立った




あなた
すみません10分くらい出ます
安室透
かしこまりました
土御門蛍
俺も行きましょうか?
あなた
いや、すぐ終わらせるし大丈夫
土御門蛍
分かりました。お気を付けて




カランカランとベルを鳴らし、少し急いだ様子で外に出て行った











彼女と彼の関係を聞くのは今しかないと思い、まずは彼に話しかけることにした











安室透
蛍さんはお仕事なになさってるんですか?
土御門蛍
えっ、仕事ですか?


拍子抜けした様な声で聞き返してきた



安室透
ええ。あなたさんは先生をやっていると仰っていたので、蛍さんはなにをやっているのかな〜と思いまして笑
土御門蛍
..デスクワークですよ
土御門蛍
それよりすみません、注文お願いしていいですか?


これ以上の詮索を防ぐためか、話を逸らしてきた



安室透
すみません、長話してしまって...
土御門蛍
いえ、早めに注文しておかないと戻ってきちゃうので、笑
安室透
分かりました笑
お伺いします
土御門蛍
ハムサンドとカフェオレ、それとアイスコーヒーお願いします
安室透
ホットコーヒーじゃなくてよろしいんですか?
土御門蛍
ええ、ここで寝られたらお店に迷惑がかかってしまいますから
土御門蛍
それにまだまだ、家に帰ったらやらせなきゃいけないことが沢山あるので





...家に帰ったらって、四季あなたとこの蛍って男は一緒に住んでいるのか、?





安室透
あの
土御門蛍
?はい
安室透
ずっと気になっていたんですが、あなたさんと蛍さんってお付き合いされてるんですか?
土御門蛍
いや付き合ってないです。


と食い気味に答えられた
安室透
そ、そうなんですね..
安室透
それじゃあ、蛍さんとあなたさんはどのようなご関係なんです?




土御門蛍
仕事の上司ですが、俺にとってあの人は、本当の姉のような存在です
安室透
姉?
土御門蛍
小さい頃からよく面倒を見てもらっていたので


その事を思い出したのか、顔が柔らかくなっていった
安室透
へぇ...
安室透
蛍さんにとって、とても大切な人なんですね
土御門蛍
そうかもしれないですね笑







そう照れくさそうに言う蛍さんに、作り終えたサンドウィッチとカフェラテをカウンターに出した


安室透
お待たせしました
土御門蛍
ありがとうございます
土御門蛍
あの、
安室透
はい?





土御門蛍
....いや、やっぱりなんでもないです













安室透
そうですか...






カランカランと音がして扉の方に顔を向けると



ネクタイを緩めてシャツを捲ったあなたさんが居た


安室透
おかえりなさい
あなた
ただいま..?です
あなた
夕方なのにジメッジメしててほんと最悪だったわ
土御門蛍
そろそろ夏服出さないとですね






席に座ったあなたさんにさっき蛍さんが頼んだアイスコーヒーを前に差し出した

安室透
お待たせしました




あなた
....蛍クーン?
土御門蛍
暑がってたし丁度良いでしょ?



あなた
ぐっ、ぐうの音も出ない...



悔しそうに納得しながら、アイスコーヒーをストローで吸った

土御門蛍
じゃあ僕も、いただきます


そう手を合わせて、サンドウィッチを食べる彼に育ちの良さを感じた





土御門蛍
!うま...
あなた
でっしょ〜?
安室透
お口に合って良かったです笑
















少しゆっくりとした空間が流れていると突然、2人が飲んでいたアイスコーヒーとカフェオレを吹き出した




あなた
ぶーーーっっ
土御門蛍
ぶーーーっっ
安室透
だっ、大丈夫ですか!?
2人
ゲホッゲホッ、ゲホッ、
2人
だっ、いじょぶです...
あなた
むせただけなので、




そう2人揃って言うと同じように俯いて、小さく何か言ってるのが聞こえた


あなた
...確かに言ったの私だし、そっちの方が楽かもだけど、
土御門蛍
それとこれとは話が別だよ...
安室透
??



あなた
今日は徹夜かなぁ泣
土御門蛍
今日もでしょ




















そんな話を少しして、あなたさん達は帰ってしまった










...蛍という男性が名字を名乗らなかったのも、職業を曖昧にしたのも気になる


それにあなたさん達が吹き出した時、僕にはなにかに驚いていたように見えた..








安室透
(蛍という男、手掛かりが少なくて調べるにも調べようがないな...)


プリ小説オーディオドラマ