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第3話

1話「1日の始まり」
22
2026/02/03 11:00 更新
彩羽
彩羽
最近は見ることが無かったから、もう大丈夫だと思ったのに……
彩羽
彩羽
なかなか克服できないな……
また、昔の夢を見た。


一番無力で未熟だった頃の記憶。
その時の記憶は、僕が今でも鮮明に思い出せるものの一つだ。
あの頃は何もできなかった。だから、全部が壊れてしまった。居場所も、仲間も、友達も、家族も、全部……
彩羽
彩羽
こんなに考えたって、過去は変わらないのに……
彩羽
彩羽
やっぱり、この夢を見た時は駄目だな……どうしても、冷静でいられなくなる
そんな風に独り言を呟いていると、

「コンコンッ」

という、扉をノックする音が聞こえた。
???
オリジナル、もう起きてるー?
???
起きてるなら入ってもいいっ?
彩羽
彩羽
…スア、入っていいよ

そう答えて少しすると、扉が開いた
スア
スア
おはよっ、オリジナル!
スア
スア
朝食はもうできてる!
スア
スア
今日のは自信作だよ♪
彩羽
彩羽
それは楽しみだね
彼女はスア……私を元にして作られた生命体。世界の中でよくこっちに来る者の一人だ。
基本的に、彼女は私の世話をしてくれる。僕は一度は断ろうとした。しかし、彼女の絶対に世話をしたいという意志を変えることができなかったため、僕が折れて現在に至るというわけだ。

ちなみに、彼女と称しているが、スアに性別は無い。ただ、オリジナルである私の性別が女だから、そういう風に自分を定めている……とのこと。
スア
スア
……んーー???
彩羽
彩羽
? どうかしたの?
スア
スア
オリジナル、ヤな夢でも見たの?
スア
スア
鼓動がいつもより1.3倍くらいの速さになってるし、異様に汗もかいてる
スア
スア
それに……迷子みたいな目をしてる
彩羽
彩羽
……そんなに分かりやすい?
スア
スア
うん、世界にいる全員がすぐに気づくくらい
彩羽
彩羽
そっか……
彩羽
彩羽
実はね、またあの時の事が夢に出てきて……
スア
スア
あー…なるほど……
スア
スア
……なら、他の誰かに変わろうかっ?
スア
スア
スゥだと気まずいだろうし……

……スアは優しいね。僕に気を使って、ここを去ろうとしてくれてる。君だけが悪いわけじゃないのに……
彩羽
彩羽
ううん、平気だよ
彩羽
彩羽
この出来事は過ぎたもので、今から変えれるものじゃないから
スア
スア
無理はしてない……よねっ?
彩羽
彩羽
うん、大丈夫
彩羽
彩羽
だから、この話はもう終わり
彩羽
彩羽
早くご飯を食べよう、せっかく作ってくれた朝食が冷めちゃうからね
スア
スア
……うん、わかったっ
スア
スア
それなら、先に下で待ってるねっ!

そう言って、彼女はこの部屋から出て行った。


彩羽
彩羽
さて、早く着替えないと……
彩羽
彩羽
今日は普通に学校があるしね
そうして、僕は制服に着替え始めた
スアSide
スア
スア
オリジナル、やっぱりあの時の事を引きづってるっ………
当たり前だっ……
だって、オリジナルはそこで全てが崩壊したから………
スゥはあの惨状を引き起こした方だ。

何も知らないスゥはそれが正しいと思ってた。
壊すことがオリジナルのためになると思って、沢山のものをメチャクチャにした。
そのせいで、オリジナルや多くの人が言葉では言い表すことができないほど、最悪な目に遭った。
スア
スア
スゥ、ここにいていいのかな……
スゥがここに居続けたら、あの事を想起してしまう可能性が高い
スア
スア
オリジナルには悪いけど、今日は世界に戻って……
そう考えていると、
???
その必要は無い
と、背後から声がかかった。
この声は……
スア
スア
……治代ちゃん?
治代ちゃんがこっちの世界に来るなんて……
話しかけられるまで全く気づかなかった………
スア
スア
こっちに来るなんて珍しいね?
治代
治代
彩羽が悪夢を見たようだから、様子を見に来ただけ
治代
治代
大丈夫そうなら、すぐに戻る
治代
治代
それより貴方は今、帰っては駄目
スア
スア
えっ……?
治代
治代
そんな事をしたら、あの子が哀しむ
スア
スア
でもっ、スゥがいると……
治代
治代
彩羽は貴方が原因だと思っていない
治代
治代
寧ろ、大切な家族だと思ってる
治代
治代
家族が突然消える方が、あの子は辛いと感じる
治代
治代
だから、帰るのは駄目

……確かに、オリジナルはそっちの方がトラウマだ。オリジナルにとって、家族は唯一無二の大切なもので、全てを賭けても無くしたくないものだからね
スア
スア
………わかったっ!
スア
スア
スゥは帰らないことにする!
オリジナルが哀しむのは、スゥ嫌だし!
治代
治代
うん、それでよし
スア
スア
でもっ、代わりに……
スア
スア
今日は治代ちゃんもこっちにいてっ!
治代
治代
スア
スア
オリジナルにとって、治代ちゃんも大切な人の一人だからねっ
スア
スア
だったら、こっちにいた方がオリジナルも喜ぶし、あの夢も忘れると思うからっ!
スア
スア
ねっ、いいでしょっ?
治代
治代
……うん、確かに
治代
治代
わかった、今日は私もこっちに居ることにする
スア
スア
わーい!やったー!
スア
スア
そうと決まれば、もう一人分の朝食を……
治代
治代
それは大丈夫
治代
治代
さっき向こうで食べた
スア
スア
あ、もう食べてるのか……
スア
スア
ならっ、コーヒーとかの簡単な物を用意するねっ!
スア
スア
なにか希望はあるっ?
治代
治代
珈琲のブラック、ホットでお願い
スア
スア
了解!
ふふふっ、一番美味しいと思って貰えるくらいの物を用意しないとねっ!

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