第7話

無一郎サイド
206
2024/04/05 07:13
交互にやろうとしましたが、私が無一郎君を書きたいので、無一郎君戦闘を先に書かせていただきます。

すいません。
時透無一郎
時透無一郎
次はあそこ。気づくと壺がある。どうやって壺が出てくるんだ。
玉壺
玉壺
よくも!斬りましたね!私の壺を!芸術を!!審美眼のない猿めが!!
壺から出てきた玉壺の顔には怒りで青筋がいくつも浮かんでいた。
玉壺
玉壺
脳まで筋肉でできているような貴様らには私の作品を理解する能力はないのだろう!!それもまたよし!
何がいいのかわからない無一郎は思考を放棄した。



時透無一郎
時透無一郎
もういいや。君首切れば死ぬんでしょ。簡単じゃん。
玉壺
玉壺
それはどうでしょうかねぇ
玉壺の短い腕から新しい壺が生み出され


   ピッチョン

     という水が弾けるような音と共にその中から二匹の奇妙な魚が現れた。
時透無一郎
時透無一郎
(きんぎょ?)
デメキンのような魚は宙に浮きながらいきなりブクっと膨らんだ。
「千本針 魚殺!!」
二匹の金魚の口から無数の針が飛び出し、無一郎を襲う。
無一郎は屋根を転がるようにして針を避けた。
時透無一郎
時透無一郎
!!!
地面に着地した瞬間、目に入ったのは一匹の金魚と
     自分の兄    有一郎が向き合っているところだった。
時透無一郎
時透無一郎
に、兄さん!?!
それは紛れもなく兄だった。
時透有一郎
時透有一郎
む、無一郎!
ブクっ 金魚が兄に向かって針を吐こうとする。
時透無一郎
時透無一郎
霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り
時透有一郎
時透有一郎
あ、ありがとう。
兄を間一髪で助けた無一郎はほっとした。







のも束の間
玉壺
玉壺
おやおや、どうしましたか?針が身体中に  ヒョッヒョッヒョ
時透無一郎
時透無一郎
兄さんは隠れておいて。
時透有一郎
時透有一郎
わ、わかった。ごめん。
顔色を少しも変えず、金魚に刀を構える。
ブクっと金魚が膨らみ大量の針を吐く。


無数に飛んでくる針の雨を華麗な刀捌きで叩き落とす。
玉壺
玉壺
ヒョッヒョッヒョ
針だらけでずいぶん滑稽な姿ですねぇ。
うねうねとしながら玉壺は笑った。
玉壺
玉壺
どうです?毒でじわじわ麻痺してきたのでは?本当に滑稽だ。つまらない命を救ってつまらない場所で命を落とす。
時透無一郎
時透無一郎
つまらない命……?
玉壺
玉壺
ヒョッヒョッヒョ。
しかし柱ですからねぇ。
一応。こ れ で も
玉壺
玉壺
どんな作品にしようか胸が躍る。
時透無一郎
時透無一郎
うるさい。
時透無一郎
時透無一郎
つまらないのは、君のおしゃべりだろ
ドンと地を蹴って壺の鬼に斬りかかる。
たなびく霞とともに無一郎の刃が玉壺の頸に食い込んだ。

















だが、その瞬間
短い鬼の手からまた、一つ壺が生えドバッと水が吹き出した。
「血気術 水獄鉢」
時透無一郎
時透無一郎
っ!!
(あなたが言ってたやつか?抜け出せなくなる!)
そう思った時はもう早かった。



巨大な鉢の形になった水の塊

その中に無一郎は逆さに捉えられてしまった。
玉壺
玉壺
窒息死は乙なものだ。美しい。そして、頸にヤイバを当てられヒヤリとする感じ。
これはとてもいい…
水の中で無一郎は刀を突き出す。
だが、水はただ刀身にまとわりついて歪むだけだった。
時透無一郎
時透無一郎
(だめか。斬れない。)
玉壺
玉壺
鬼狩り最大の武器である呼吸を止めた。
もがき苦しんでいる顔を想像するとたまらない。
玉壺
玉壺
里を壊滅させれば鬼狩りどもにも大打撃、
鬼狩りを弱体化させれば産屋敷の頸もすぐそこに………ヒョッヒョッヒョ
次回 無一郎サイド(これで書き切りたい)です。

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