M!LKのリーダーとして、そして一人の表現者として常に全力な吉田仁人
そんな彼が、ふとした瞬間に限界を超えてしまう
ライブのリハーサルが終盤に差し掛かった頃、メンバーの誰かが異変に気づいた。
いつもなら的確にダンスのズレを指摘し、冗談を飛ばして空気を和ませる仁人の動きが、明らかに鈍い。
佐野が声をかけると
仁人は
と短く返した。その声は、いつものハリを失い、どこか遠くで響いているようだった
数分後、曲が終わった瞬間にそれは起きた。
仁人が膝から崩れ落ち、そのまま床に倒れ込んだのだ
真っ先に駆け寄ったのは勇斗だった。肩を揺らすと、手から伝わる熱気に息を呑む
仁人は薄く目を開けたが、焦点が定まっていない。荒い呼吸の合間に、
うわ言のように仕事の心配を口にする。
と優しくタオルを頭に乗せた
その後吉田は、病院に運び込まれた
結果、過労と風邪が重なったことによる高熱だった。
普段の「しっかり者のリーダー」という鎧を脱ぎ捨てたように、驚くほど小さく見えた。
翌朝、少しだけ熱が下がり意識がはっきりした仁人が目にしたのは、パイプ椅子に座って器用に居眠りをする勇斗と、足元で丸まっている舜太の姿だった。
ガラガラの声で呟くと、二人が弾かれたように飛び起きた。
二人の騒がしさに、仁人は思わず小さく吹き出した
舜太が胸を張って、昨日メンバー全員で書き込んだという、ぐちゃぐちゃの演出メモを見せた。そこには、仁人の立ち位置をカバーするためのアイデアがびっしりと詰まっていた。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!