“ザーーー ザーーー”
激しく雨の降る町に1人の女性がいた。
葉隠 凜奈
この月夜町の満月街にカフェを構える25歳の女性だ。
彼女の経営する“深夜の木漏れ日”は、暖かく、明るい不思議なカフェ
そんなカフェを経営する凜奈の住む月夜町は太陽の登らない日本唯一の地域だ。
そのせいか、それともまた違う理由があるのか、この町は天気予報が当たらない。天気がコロコロと変わるため天気予報を諦めている。しかし、三崎 美玲という天気予報士は毎日天気予報をしてくれる。
まぁ当たるのは、2回に1回だが.....
カフェ“深夜の木漏れ日”は、1階がお店二2階が居住スペースになっている。
入口付近にタオルを置いた凜奈はカウンターキッチンのところに座り本を読み始めた
パラッ パラ
静かな店内で聞こえるのは外で降る雨の音と凜奈が本を捲る音だけ
カランカラン
そんな静かな店内に来店を知らせるベルがなる
ベルの音に気づいた凜奈は急いで本をしまい客の方を見た。扉にたっていたのはびしょ濡れの女性だ
タオルで顔を拭いていたのは、天気予報士の三崎 美玲だった
天気の予測が難しいこの街で2分の1という確率で当てる三崎に凜奈は尊敬の意を表していた
褒められても謙虚である三崎にすごいなと思いつつ、席に座るように促す
彼女がなぜ土砂降りの雨の中いたのか分からないが、ここでゆっくりとしてくれるといいなと思いいつつ紅茶の準備をする。
三崎が紅茶に口を付けてから店には気まずい沈黙が続いており、凜奈はなぜ雨の中にいたのか質問してみたいなと考えていた。
考えていることを見抜かれた凜奈は、驚いてしどろもどろに返事を返す。すると三崎はどこか忌々しそうに外を眺めながら言った。
質問に答えてくださったのにまた質問で返すようなことをして悪かったかなと思っていた凜奈に三崎は自傷気味に笑い紅茶を1口飲んだ
そう言い見せられたのは三崎のスマホだった。SNSのコメント欄が開かれたそれには心無い言葉が書かれていた.....
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。