善逸もまた、天ぷらパンのため死力を尽くす柚組の2年生である。
そんな善逸のぼやきは伊之助には届いていないようだ...。
伊之助は代金と引き換えに天ぷらパンを受け取り、袋を開けて、その場でガツガツとほおばり始めた。
アオイの怒声が響き渡る。
これも毎度のやり取りだ。
伊之助も、アオイには正直、耐性がついている。
そんな声はお構い無しだ。
伊之助は天ぷらパンが大好物だった。
代わりに善逸がアオイに謝罪する。
アオイは心底呆れていた。
善逸も待望の天ぷらパンを受け取り、瞳をキラキラと輝かせ、可笑しな舞いを舞いながら、教室へと戻って行った。

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。