荒かった男、鬼龍さんと睨み合うような形になる。
・・・というか、近い💢
顔だけイケメンの顔が近い💢
離れろよ💢
やっぱり、どうしても鬼龍さんとは相容れないようだ。
何故かは分からない。
けど、兎に角相容れない。
すると、そこに割って入ってきたのは、大人びた男、剣水さんだった。
・・・あ、分かった。
此奴、熱血キャラという俺のキャラ設定と被ってるからだ💢
(※被ってはない)
呆れたように、剣水さんは深い溜息を吐く。
剣水さんの話を遮って、駆け足でやってきたのは、冥さんを襲った犯人であろう人物・・・冥さんの妹、信乃さんだった。
そして俺達を見ると、怒ったような顔になり、奇声に近い声を上げる。
そう言って、俺達を指さした。
・・・え、今なんて言ったこの子。
俺に掴みかかってくる信乃さん。
はぁ?という困惑と、「否、あんたが犯人だろ」という疑惑がいっぱいで、俺は揺さぶられるがまま。
俺が呆然としていたから、葵と信乃さんが取っ組み合いになる。
皆実と明は俺を守るように前に立つ。
俺が前に出る前に、冥さんの弟、光生さんが止めに入った。
だが、少し違和感を覚えるような発言をする。
そう言って、葵と信乃さんの間に入り、信乃さんを突き飛ばす。
そして、葵を庇うように立ちはだかる。
その質問に対し、光生さんは焦った表情を見せる。
俺と同じようにその言葉に疑問を抱いたのだろう。
冥さんのお父さんが、聞き出そうと光生さんに近づく。
静かに質問する冥さんのお父さんだったが、次第に怒りのオーラに皆気圧される。
さっきまで叫ぶように興奮していた信乃さんでさえ、黙り込む程だ。
言うのを一瞬躊躇ったが、ハッキリとした声で光生さんは話し始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!