第10話

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2021/05/04 03:08




バァァァァン






急に視界が眩しくなった





詩多
詩多
希愛っ!


大丈夫かっ
希愛
希愛
う、たくん…
男子高校生
男子高校生
誰だよお前


おりゃっ
やだっ


詩多くんが殴られちゃうっ!





詩多
詩多
んだよ、てめぇ


お前らが希愛を泣かせたのか



((バキッ





そこからは瞬殺だった




詩多くんの長い足は


高校生の顔面を捉え、


蹴り飛ばした…








その他の人たちも…
詩多
詩多
希愛っ!


大丈夫だったか?
希愛
希愛
大丈夫なわけないもんっっっ


うわぁぁぁぁぁぁぁぁん




突然涙が出てきた





詩多
詩多
((ポンポン



詩多くんは


私の肩を優しく叩いてくれた。









それが…すごく安心して。








希愛
希愛
っヒクッ


怖かったよぉっ


詩多くんが来なかったらっ


うわぁぁぁ…
詩多
詩多
うん、


はやく来れなくてごめんな…
希愛
希愛
う、たくん…
詩多
詩多
((ギュ


たくさん泣いてもいいんだよ、


こんな時まで強がらなくたって…






気づかれていた


詩多くんには


私がいつも、


興味無いんじゃなくて…


本当は強がってたこと


弱いって思われたくなかったんだってこと


全部彼にはわかっていた。

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