あなたはハンジに抱きつかれながらも、
自分と共に嘘をついてくれた兵士の元へ向かう
ガスタンクの整備をしている兵士のところに、
あなたは近づいた
すると、兵士はそれに気づき、
慌てた様子で心臓を捧げる敬礼をした
兵士は上官2人が来たことよりも、
ハンジがあなたに抱きついて頬ずりしていたこと、
あなたがそれについて何も言わなかったことに驚いていた
そんな気配を悟ったのか、あなたは呆れながら口を開く
あなたは、ゆるんだ空気を変えるため、
真剣な表情に切り替える
すると、兵士も体をこわばらせる
兵士が驚いて素っ頓狂な声を出す
無理もない、
あなたが一介の兵士に尋ねてくるのは、だいたいいつも
処罰の時や、厳重注意などマイナスのことだ
それに加えて、兵士には身に覚えがあった
新兵があなたと戦いはじめ、問題だと思った彼は、
あなたに何も言わずに団長へと報告したことだ
自分がしたことに兵士は、重い罰が下ると思っていた
兵士もしょうがないと思っていたし、必然だと確信していた
しかし、あの恐ろしい幼女が礼を言うと自分にわざわざ会いに来て言ったのだ、驚かないほうがおかしいというものだ
あどけない口もとから放たれた言葉はシンプルだった。
しかし、兵士は雷が落ちたかのように心を震わせた。
兵士は慌てて手を横に振り、
自分より低い位置にいる幼女のため腰をかがめる
あなたは腕を組みながら言う。
幼女の可愛らしい顔は、
たちまち歪み、元のような冷酷な分隊長の顔に戻っていた
瞬間、兵士は緩ませた顔が氷のように固まり、
そしてブルブルと震える
凄まじい気迫、逆らえば何をされるかも分かったもんじゃないと思わせるような表情、幼女の全てが兵士を怖がらせていた
そしてその場には、
幼女の勝利の笑いだけが響き渡ったのだった……
時刻は夕方、
モブリットに呼ばれハンジは連れて行かれた
どうやら、書類業務をほったらかしてあなたの元に来ていたらしい
あなたは泣き叫ぶハンジを無視して、自室へと戻った
ここでもあなたは、机にあった書類を片付けていた
あなたはそう言いながらも、
書類から目を離さずに、ずっと流れるように見ていた
ガチャッ……
控えめに開けたドアから、兵士が顔を出す
顔を出したのは、リヴァイだった
切れ長の目があなたを睨みつけるが、
あなたは気にせずペンで何かを書き込んでいる
あなたの書類を確認する手は止まらず、
下に目をやったまま、何の気無しに口を開いた
リヴァイは眉根の間にしわを寄せる
普通にしていても鋭い目つきが、さらに吊り上がる
あなたは静かにペンを置くと、
イスの背もたれかかり、リヴァイと目を合わせる
あなたは椅子から立ち上がり、窓の外を見た
外には月明かりに照らされた街が、キラキラと輝いていた
その光が反射して、あなたのきれいな緑の瞳に跳ね返る
リヴァイは、幼女から目が離せなかった……
金髪の髪がゆらゆらと揺れ、緑の瞳の奥がゆらゆらと黒い何かがうごめく、……
あなたは身をひるがえし、目を瞑ると、
数秒後に開き、リヴァイを真っ直ぐと見た
リヴァイがドアに向かって歩き出すと、
あなたは小さく呟いた
ふり返ったリヴァイは、
窓の外を眺める小さな背中を見つめた
そしてしばらくして、ドアから出ていったのだ……
バタン!!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!