第18話

呼吸まで、あまあま
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2026/01/03 22:58 更新
白いカーテンがゆっくり揺れて、消毒液の匂いが少しだけ甘く感じる。
ひより
「…ねえ、まだ帰らないの?」
すず
「ひよりが起きるまで。」
 
ひより
「もう!元気だって!」
すず
「顔赤い。」



ひより
(それは……すずが近いからだよ!)
すずは無言で椅子をベッドに寄せる。
距離が縮まるたび、ひよりの心拍が早くなる。





すず
「どれくらい近い?」
ひより
(きっ、聞こえてたー!?)



ひより
「その質問がもう近い!」



すず
「じゃあ、もっと。」
ひより
「ちょ、ちょっと待って…!」


すずはひよりの額にそっと手を当てる。



すず
「熱、下がってる。」



ひより
「代わりに別の熱が出てる…わ。」
すず
「私のせい?」
ひより
「自覚ないの?」
すず
「あるよ。ひよりがかわいすぎるって自覚。」





ひより
「……直球すぎ。」
すず
「保健室だから。」
ひより
「理由になってない!」


すずは少しだけ笑って、ひよりの指に触れる。
絡めるでもなく、逃げ道も残さない、ずるい触れ方。


すず
「離したら、嫌?」
ひより
「……嫌って言ったら?」



すず
「一生このまま。」
ひより
「重い……!!けど、好き。」




すず
「前から知ってる。」
ひより
「なんで?」



すず
「呼吸でわかる。」
ひより
「なにそれ…??」



すず
「ひより、私の前だと息浅くなる。」


ひより
「かっ、かん察しすぎ!」
すず
「好きな人は見る。」

ひより
「……じゃあ私も!」

すず
「なにを?」
ひより
「すずのこと、全部。」



すずは一瞬黙って、それからひよりの手をぎゅっと握った。
すず
「じゃあ覚悟しててね。」
ひより
「なんの、?」







すず
呼吸いきまで甘々になるの。」

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