
さて、初日の訓練では、私の勝ちでしたが...今日はもっと楽しませてくださいね?

えぇ...あの時の私達と同じだとは思わないでください

今日こそ絶対に、俺達が勝ちます!

やれやれ、二人とも、燃えてるねぇ...息を合わせるためにも...俺もちょっとは、やる気を出さないとな

いいですね、三人とも、初日とは目の色が違います。これなら...私も本気を出しても良さそうです...

うっわ...悪役みたいなこと言っちゃってんだけど

よし、改めて、ルールの確認をするぞ。天使役のラトと三対一で戦い...ラトの羽を斬り落とすか、ラトの行動を制限出来れば勝ち
逆に...誰かがラトに三秒間触れられたら、その時点で負けだ。準備はいいな?それでは...用意......始め!

ハナマルさん、テディさん。作戦通りに

おう、任せとけ

了解です!

それでは...行きますよ、ラトさん...!
そう言いユーハンは走り出した

へぇ...まずはユーハンさんからですか...ですが...そんな正面からの攻撃では...

はッ...!
ユーハンは以前よりも素早く刀を振るう

!!速い...成程...確かに、数週間前とは違うようですね...

......それを見切るラトさんも、すごいと思いますよ...ですが...一人では届かないことぐらい、想定の範囲内です

はぁぁぁ!!

!!次は、テディさんですか
テディは素早く剣を振るうがラトに躱されてしまった

クッ!また躱された...

ふむ...テディさんの剣も、前回より速くなっています...くふふ...素晴らしい...楽しくなってきました。さぁ、もっと楽しませてください...二人いっぺんに来てもいいですよ

えぇ...勿論、そのつもりです

本気で行くからね、ラトくん!

すごい...!あの二人、以前より息ぴったりだ!その猛攻を避け続けるラトも、相変わらずすごいですけど...

ふむ...これは、まずいな

そうね

え?何がまずいんです、ミヤジ先生、主様。ラトが勝ちそうなことですか?それとも、負けそうなこと...?

いや...勝ち負けはまだ分からないが...ラトくんの表情から、余裕がなくなって来ているのと同時に...

「闘争本能」が芽生えて来ているみたいね...

そ、それって...!ま、まずい...!このままラトが本気になったら...

えぇ...でも、今更模擬戦を止める訳にはいかないわ

テディくん達も本気だからね

クッ...みんな、どうか怪我だけはしないで

おっと...

クッ!これも躱すのか...

ですが押しています!もう一息ですよ、テディさん!

えぇ...確かにこのままでは、私も厳しいですね...ですがお二人とも...忘れていませんか?本物天使は...反撃をしてくるんですよ
ラトは容赦なくユーハンの腹を蹴り飛ばした

グフッ...!
ユーハンは体制が崩れてしまった

なっ...!ユーハンさん!?

クッ...だ、大丈夫です...腹に一発、蹴りを貰っただけですから...!!テディさん、前を!

えっ?

くふふ...戦いの最中に、敵から目を離すなんて...死にたいんですか?
そう言いラトはテディも蹴り飛ばした

ガハッ...!
テディも体制が崩れた

テディさん!

グッ...うぅ...

おやおや...天使を前に、いつまで寝ているつもりです?

...!!
地面に倒れたテディをラトは素早く押さえつけた

グッ...!し、しまった...!

あぁ...これは負けか...

...いいえ、これは"三人の勝ち"よ

えっ...?

誰か一人、忘れてないかしら?

はい...それまでよっと
ラトが三秒を数える前にハナマルはラトの背後に立ち、刀を突きつけた

...!!ハナマルさん.......?いつの間に私の後ろに...貴方の気配は感じませんでしたが...

まぁねぇ...これでも昔は、賞金稼ぎをしていたし。気配を殺して獲物に近づくことも、仕事が必要だったわけよ。
とはいえ...ラトを相手に、上手く行く地自信はなかったんだが...テディちゃんとユーハンが、ラトをマジにしてくれて...本当助かったよ

それに獲物を捉えた瞬間は...どうしても油断するからね

成程...あの二人は最初から...

えぇ..."囮だった"ってこと
こうして別邸組は全ての試験を合格した

連携訓練も合格だ!

良かった!これで個別訓練も、連携訓練も、両方合格ですね!

三人とも、すごかったわ

えぇ、見事にしてやられてしまいました、ですが楽しかったですよ。三人とも、おめでとうございます

ありがとよ。ま、今回合格できたのも...全て俺一人のおかげだな、うん

はいっ!俺もそう思います

私達の実力など...ハナマルさんには遠く及びませんからね

ちょっ...冗談だって二人とも...ここは「何言ってるんですか」ってツッコむ所だろ〜?

あはは♪勿論、冗談なのはわかってますよ!

いつもハナマルさんに振り回されるばかりでは、つまらないですからね。私達もハナマルさんに習って...冗談を言ってみました

.......いや、そこは見習わなくていいから。俺の数少ない個性、取らないで?

初日より更に仲良くなったわね

はいっ!この一ヶ月で、より絆が深まったと思います!

だな、訓練キャンプも今日で終わりか。後は明日の帰宅に備えて、後片付けをするだけ...

いえ、もう一つだけ、大事な関門があります

え?マジかよ...

連携訓練の訓練で終わりではなかったのですか?

はい。と言っても、「試験」と言うよりは「儀式」のようなものですので...そう身構えなくても大丈夫ですよ

どう言う儀式なの?

ふふ...今から別邸組の御三方には...主様の力をお借りして...初めて「悪魔の力」を解放していただきます

悪魔の力を...?

そうか...そう言えば、悪魔の力使い方も学ぶって言ってましたね

訓練が忙しすぎて、すっかり忘れてたな
_____数分後

それでは...ハナマルさんから、一人ずつ解放していただきましょう。主様、ハナマルさん、準備はよろしいですか?

えぇ。ハナマルは?

おう、いつでもいいぜ。いよいよ俺達の悪魔のお披露目って訳か...半年前に契約はしたものの...具体的にどんな悪魔なのか、何一つ知らないんだよな

えぇ。契約した時点から、悪魔の力を解放することは可能なのですが...悪魔の力を使うと言うことは...身体に縛り付けた悪魔を、少しだけ自由にするということ。
個人差はありますが...身体が馴染まないうちに、力を解放してしまうことは...色々リスクはあるのです...ですがご安心を。経験上...半年も経てば、その危険はほぼないことがわかっていますから

成程。それで今まで、悪魔の力の解放をしなかったんですね

それじゃ主様、力の解放を頼むわ

えぇ
あなたの名前は本を開き記号をなぞる

「来たれ。闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、ハナマルの力を解放せよ」

おぉ...!?こ、こいつは...
悪魔の力を解放した瞬間、ハナマルの前に白い巨鳥が現れた

この鳥が...俺と契約した悪魔って訳か

えぇ。その悪魔の力は「フォカロル」...かの者が与えてくる力は...手にする武器を、「決して折れない刃」に変えてくれるとか

えっまじで?なら、天使をいくら狩っても折れる心配がないのか...ふ〜ん、そいつは頼もしいねぇ

あ、あの!次は、俺が試してもいいですか?

わかりました。主様...次はテディさんの力の解放をお願いできますか?

えぇ、勿論
再びあなたの名前は記号をなぞる

「来たれ。闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、テディの力を解放せよ」

うわっ!で、出た...!これは...白い...ヒグマ...?

その悪魔の名は「フォルネウス」...契約者に、大いなる「腕力「を与えてくれる悪魔です

腕力を...!成程...確かに、体の芯から力がみなぎってくる感じがします、身体の感覚も、普段とちょっと違いますけど…慣れれば大丈夫そうですね

成程、自分の戦い方に合致した力だと、より戦いやすくなりますね。それでは主様、次は、私の力の解放をお願いできますか?

分かったわ
あなたの名前は記号をなぞった

「来たれ。闇の盟友よ。我は汝を召喚する。ここに悪魔との契約により、ユーハンの力を解放せよ」

ふむ...これは...狼...ですか

その狼の名は「マルコシアス」...黒い雌狼の姿をした悪魔です。天使を狩れば狩るほど...契約者の身体能力を、一時的に引き上げてくれる力を持っています

ほぅ...天使を狩れば狩るほど...?それはいいですね。速さと手数で戦う私には、ピッタリです。特に...多数の天使を相手にする時に、力を発揮できそうですね

流石、ユーハンさん。早速、天使との戦い方を頭の中で組み立ててますね!
思ったけど...どれも強力な悪魔ね

"お嬢様、私の方がこの悪魔より強いですけど??"
はぁ...全く...困った色欲魔ですこと

"知ってる、ただ三人に感心しただけよ。変な嫉妬心を出さないで。引っ込んでなさい"

"はい...申し訳ございません..."

"...まぁ最近、呼んでないからね...また呼ぶかもしれない日があるから"

"それはいつなのですか?"

"まだまだ先よ。我慢して...出来たら私を抱きしめて構わないから"

"...!(´。✪ω✪。`)✧*。はい、かしこまりました♪"
急にご機嫌ね........
アリスの会話が終わると別邸の三人は現れた悪魔に戸惑うこともなく...むしろ晴れやかな表情している。いよいよ天使と戦える、そんな想いの方が彼らにとっては強いかもしれない

.......ベリアン、ちょっといいかな?

はい?なんでしょう

幸い、三人とも無事に悪魔の力を解放できたようだけど...彼らには...悪魔の力の「代償」について、説明したのかい?

いえ...それは、まだです。代償と言っても...実際に発現するかどうかは、個人差がありますし...仮に代償があったとして...周りに気を遣わせないために、隠しておきたい方もいられるでしょうから。例えば...ミヤジさんのように

.......あぁ。それもそうだね

力の代償については、追々説明していきましょう

分かった。しばらくは、それとなく彼らの身体を気にかけておくよ。特に、彼らが力を解放した後で...身体に異変が起きないかどうかをね

はい...よろしくお願いします、ルカスさん
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。