⚠️注意⚠️
31話は分岐になってます!
それぞれの告白シーンによって、あなたの名字ちゃんの呟きなどの内容が異なります!
悠佑side
後夜祭が始まる10分前。
俺は一人、屋上であなたの名字を待っていた。
あなたの名字はいつも10分前行動を心がけているから、そろそろ時間だ。
あいつの方へ行ったか、ギリギリまで悩んでいるか…
少なくとも、手紙を見ていないことは無いはずだ。
あー、
なんか、なんかっ、柄にもなく緊張するなぁぁぁっ!
いつもと違う自分に だんだんイライラしてきたその時、
がちゃり、と音が響いて
屋上の扉が開いた。
地団駄を踏んでいたのを見られたらしく、苦笑いされてしまった。
ださいとこみられたなぁ…
少々強気な姿勢だが、耳はほんのり赤くなっていて。
…期待、してくれてることが分かる。
そんないじらしい姿を見せられたら、俺もしっかり答えないとな。
ふぅ…と小さく深呼吸をしてから、ぱちんっ!と頬を叩いて頭を切り替える。
そして正面から、優しく微笑む彼女を見つめる。
もっといい表現があっただろうけれど、彼女は本当に、純粋に、すごいと思える人だった。
最初に彼女を見たのは教室内ではなく、体育館の壇上。
(遅刻したわけでは無い。
入学式前に教室内ちゃんと見てなかっただけ!)
堂々と挨拶を述べる彼女を、かっこいいと思った。
運動と歌くらいしか出来ない「劣等生」な俺と、
文武両道でなんでも出来る「優等生」な君。
まさに、正反対だったから。
同じ想いを抱いたあいつは、努力してた。
一緒に赤点をとっていたのに、学年2位まで上り詰めて。
…俺は、勉強が嫌いだから。
そんな必死になれなかった。
人見知り…なんて誤魔化していたが、そんなもの俺には無い。
ただ、努力してない俺が、初兎と同じ土俵に立っていいものかと、
勝手に負い目を感じていただけ。
きっとあの時。
1年の冬。
1人で屋上の雪かきを頼まれて、
それを知った彼女が、自分も手伝うと言って、2人で雪かきをした。
最後に、「お疲れ様です!」 なんて笑いかけてくれた君に、胸がぎゅうっ…と締め付けられて。
そうして抱えきれなくなりそうだった時、
あの日の、学校外で起きた恐ろしい出来事。
だけど君も、ただの少女だったんだと知った。
俺でも、君に触れられると知った。
あの日、不審者から。今日、お化け屋敷で。
小さなことだけど、俺は彼女を2度も助けられた。
でも、それだけじゃ満足出来なくなっていた。
欲が、出た。
…どうか、こんな欲深い俺に、
ずっと勇気が出せなかった俺に、
かっこ悪い、俺に、
応えてくれ。
頬を赤らめて笑った彼女は、とても綺麗だった。
…多分、俺の顔も真っ赤だろうな。
嬉しさと恥ずかしさでしゃがみこんでしまった俺を見て、あなたの名字は一緒にしゃがみこむ。
その時、大きな音とともに花火が打ち上げられた。
屋上でしか見えない、心なしか大きく見える花火。
隣にいる、可愛い君。
…すごく、幸せな気持ちになった。
END:不器用ボーイと、初心ガール
─ side
…花火の音が響く。
どうやら、中庭から花火は見えないらしい。
あの子は今頃、あいつと一緒に花火を見てるのだろう。
ここには来なかったから。
あー、辛いなぁ…
花火の光すら届かない暗い中庭の隅で、
僕は1人涙をこぼし続けた。
次回最終話です!!!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。