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第2話

2話
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2023/07/09 12:40 更新
pn視点


時計の時刻は午後7時50分を指していた。


ぺいんと
そろそろ集合時間だな。
作業を中断し、日常組のDiscordグループにログインした。


他三人のうち二人は既に通話状態みたいだ。
トラゾー
お、ぺいんと来た。
クロノア
お疲れ様。
ぺいんと
おつかれさまでーす。
俺がそう返事してすぐに,四人目の声が聞こえて来た。
しにがみ
お疲れ様です!
ぺいんと
おせーよしにがみ。
しにがみ
いやあなたも来たばかりでしょ⁉︎見てましたよ…
なんて事ない会話を一つ二つ挟んだ後,今日の打合せが始まる。

次の企画はどんなものがいいか。どんなデータパックを作るのがいいか。生放送はどんなことをやるか。

リスナーを喜ばせる為に、皆この打ち合わせを大切な仕事として真剣に取り組む。


勿論、この俺も。


話合いが煮詰まり意見が飛び交わなくなったタイミングで,休憩しようというクロノアさんの言葉が出た。
しにがみ
あー肩痛い…
クロノア
いつもありがとね,しにがみくんのデータパックいつも助かってる。
リーダーのクロノアさんからの激励に、しにがみは素直に喜んでいる様子だ。
しにがみ
あー、クロノアさんのその言葉だけで僕さらに頑張れそうですよお。
ぺいんと
その調子で頑張れ。
しにがみ
あんたはどこ目線なんだ。
口を動かしながらも、俺は休憩中など関係なく打合せ前にやっていた作業を進めていた。

ぶつぶつと独り言を言っているのが聞こえたのだろう,メンバーが訝しんでいるのを感じる。
トラゾー
もしかして,今も編集してる?
ぺいんと
うん、なるべく今日中にあなたの下の名前に素材渡したくて。
今俺が作っているのは『Minecraft』のスキンのアニメーション素材だ。
日常組では時々、トラゾーの作る物語ストーリーを基に長期シリーズものを撮影して,投稿し続けている。

そして今まさに投稿しているシリーズものが佳境に入るところで、俺もあなたの下の名前も編集にいつも以上に力を注いでいるのだ。

二人三脚でやる編集は前は不安だったが、あなたの下の名前は物覚えも良く俺よりもしっかりしているところがあるから,必ず期限までに期待通りの出来栄えで素材を送ってくれる。

そんなあなたの下の名前を、俺はメンバーと同じくらい信用している。
トラゾー
あなたの下の名前……ああ、佳山さんのことか。あの新しい編集者さんの。
しにがみ
え、あなたの下の名前だなんて、そんな馴れ馴れしい呼び方していいんですか⁉︎
しにがみが素っ頓狂な声を上げる。音声の向こうで微かに椅子が動く音が聞こえた。
ぺいんと
は?どう言う意味?
しにがみ
だって仮にも女性ですよ⁉︎
クロノア
『仮にも』じゃなくて本当に女性だよ
苦笑いしながらクロノアさんがそう小さくツッコミを入れる。
しにがみ
僕,ぺいんとさんが女性を呼び捨てするとこなんて見た事ないです!
トラゾー
そりゃそうでしょ。日常リスナーの中ではしにがみさんがぺいんとの彼女で定番なんだから。
ぺいんと
あ、俺に女気がなくなっていたのはお前のせい?
クロノア
そういうことか〜
しにがみ
え、何で僕悪いみたいになってんの?
四人の中で笑いが生まれる。
ぺいんと
別に,俺が誰を呼び捨てしたって俺の勝手だろ。
ぺいんと
あなたの下の名前は…そう、俺にとって信用できる人だから,気づいたら呼び捨てになってた。
大体、まだ通話でしか話したことない,会ったこともない人だし。

好きになるとか,……多分ない。
クロノア
じゃあ彼女ではないんだ?
ぺいんと
違います。
トラゾー
よかったねしにがみさん、空いてるみたいですよ。
しにがみ
いやなりませんから。
しにがみの鋭いツッコミに俺はまた笑った。

そんな話も挟みつつ,打ち合わせは終了した。

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