第13話

迷子
2,393
2024/10/17 15:07 更新
黒尾鉄朗
集合!!

『はい!!』
大きな声が体育館内に響きました。


流石男子バレーボール部ですね。

猫又育史
おっほん。
猫又育史
皆、練習お疲れ様。
猫又育史
これからゴールデンウィーク中の練習試合の日程を言うから、把握をしておくように。

そう言うと、猫又監督はポケットから一枚の紙を取り出しました。

猫又育史
一日目、〇〇高校。
猫又育史
二日目、△△高校。
猫又育史
三日目、□□高校。


猫又育史
そして四日目。

すると、猫又監督はニヤリと笑みを浮かべました。

その顔を見た人達は皆、怪訝な顔をしていました。
私もその内の一人です。

猫又育史
烏野高校。
黒尾鉄朗
おお…。

思わず兄様は声を出していました。
私は兄様から聞いていました。
烏野高校。
かつての男子バレーボール強豪校であり、今では

”落ちた強豪、飛べない烏”と呼ばれてしまっている高校だということを。
そして、音駒高校とは深い繋がりがあったことも。


猫又育史
そこであなた。
あなた
!はい。
猫又育史
烏野高校まで、私達は新幹線で向かう。
猫又育史
乗り換えやチケットなど、宮城への行き帰りのサポートをしてくれ。
あなた
はい、分かりました。

そう言うと、猫又監督は小さく頷き、話の続きをし始めました。


その間、私は兄様が好敵手ライバルとして見ている烏野高校が、どのような高校なのか、ずっと気になってうずうずしていました。



新幹線に乗り、ついに宮城県までやって参りました。

黒尾鉄朗
お〜やっと来たな〜!!
山本猛虎
っすね!!舐めた野郎どもだったら、懲らしめてやりましょうや!!
海信行
コラコラ〜あまり騒がないようにね。

山本さんはいつも楽しそうで羨ましいですね。
研磨さんは、私の隣でゲームをしています。


あなた
研磨さん、ゲームをしながら歩くのでは、危ないですよ?

そう言うと、研磨さんは「ん〜」と返すだけでした。


あなた
あっあら?!
あなた
研磨さん…?!

道中、分かれ道を右に曲がった時に、研磨さんだけ左側に曲がってしまって居ることに気づきました。
幸い、私は携帯を持っているので、兄様に後で連絡をすれば良いか、と思い、私は研磨さんの後を追いました。


あなた
研磨さんッ!
あなた
そっちは違いますよ!
孤爪研磨
え…?

振り向きざま、ゲームオーバーになった音がしました。

孤爪研磨
あっ…。
あなた
あ、すみません…。
孤爪研磨
いや、全然。
孤爪研磨
ていうか……ここどこ?
あなた
…それなんですよ。
私も迷ってしまいました。
うっかりです。


孤爪研磨
とにかく…そこに座ろうよ。
あなた
…ですね。休憩しましょう。
あなた
兄様に連絡しておきますね。
孤爪研磨
うん、ありがとう。


こうして、少し駐輪場の角に座ることにしました。

閑静な住宅街に、烏の大きな鳴き声が轟いていました。

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