あなたは父親の手を繋いでどこかへ向かう。
行先なんてものは教えてくれない。
父親は清楚な服を着て堂々と道を進む。
あなたの下の名前は粗末な格好をして。
父親はたまに私の方をみて嫌そうな顔をする。
目的地に近づいて来たのか父親は
その時、横を通った黒髪の少年の服を無意識に掴んだ。
あなたは何故掴んだのか理解出来ず、ただ少年の顔を見ていた。
あなたの下の名前は、絶望の中、蜘蛛の糸が垂れるのを待っている様な顔をしていた。
あなたの下の名前は"父親に売り飛ばされるから助けて欲しい。"と父親の目の前で言える訳がなかった。
少年はその事が分かっていた。
ハッキリ"助けて”と言うのか様子を伺っていたのだ。
父親が無理に引っ張ろうとした時、あなたの下の名前は弱々しい声で言った。
そういうと、少年はあなたを引っ張っている父親の手を掴み、1度分解し、そして修復をした。
そう言って父親はどこかへ去ってしまった。
あなたの下の名前はその父親を見送り、慌てて少年に謝罪と感謝を述べた。
そう言いながら少年は手をウエットティッシュで拭き、あなたの下の名前の様子を見る 。
あなたの下の名前が下を向き少し落ち込んだ様子をすると、少年は違う所を見て、再度あなたの下の名前を見る。
あなたの下の名前は顔を上げ、少年見ると少年は、口を開けた。
あなたの下の名前は顔を上げ嬉しそうに目を大きくした。
少年が歩き始めると、あなたの下の名前はそれについて行くように走っていった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!