ポケットに入っていたスマホが鳴る。
スマホの画面は朝の9時。
辺りを見回す。
きちっと片付けられた部屋
そして隣にはRJのぬいぐるみが置いてある。
そういえば、昨日リビングで寝てしまった事を思い出した。
ジンヒョンが連れてきてくれたのか…
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リビングへ行くとジンとユンギがいた。
どうせなら1人よりメンバーもいた方がいいな
そう思いユンギに声をかけてみた
そんな会話をしながらご飯を食べ終えた。
ジミンはリビングを出た。
さすがはユンギ。
こういう事にも勘が鋭い
モゴモゴと言葉を濁しながら話す。
ユンギはこんなことも軽々と言えるんだ。
それもそうだ。
最近新曲やアルバムをリリースし、テレビの出演やコンサートに向けての練習が多くなり、2人でいる時間が以前より少なくなっていた
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ジミンに伝えなきゃ
ジンはジミンの部屋に行った。
ノックしても返事がない
せっかくの2人きりになれるチャンスが終わるなんて…
その時、洗面所から声が聞こえてきた。
洗面所に行くと、ジミンが歌っていた
曲は「serendipity」。
ジンがジミンのソロで気に入っている曲だった。
ジンは角からそっと覗くようにジミンを見た
【君は僕 僕は君】
アカペラなのにやっぱり上手い。
気持ちよさそうに歌うジミンを見ていると、ジミンが気づいた。
ジンは泣いていた。
ジミンの歌声に感動して
ジミンはホッとし、
ジミンの顔がパッと明るくなった。
ジミンは目を細めて
そう言い、自分の部屋に戻って行った。
「『しかも』ジニヒョンと…」
ジミンが言った言葉がループされる
こういう所があざといな、とジンは思った
ジミンは誰にでも同じ対応をする。
多分恋人だから、といった感情はないまま今の発言をしたのだろう
この2人きりのチャンスを上手く活かさねば
ジンはそう思い、支度を始めた。
続く
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!