あれからかえで途中まで一緒に帰り、空はすっかり暗くなっていた。
ガチャ
今日のお母さんの態度はやや冷たい。自覚してないけれど少しイライラしている感じかな。
手を洗い、食卓に向かう。そこへいくと、もうなつき(弟)とおばあちゃんとお母さんは夕飯を食べていた。
テーブルの上を見てみると、今日の夕飯はハンバーグ、キャベツときゅうりのサラダ、味噌汁、白米だ。嫌いでもなく、好きでもないメニュー。
よく噛まないと胃に負担がかかるからしっかりと噛む。一口30回を目安に。
僕は基本無言で食べる。なつきがよく喋るから、僕が喋らなくても無言になる瞬間というものがないからだ。というか喋ろうとするとすぐになつきが喋り出すから僕が喋る間がないと言えばいいのだろうか、とにかく喋ろうとしても喋れない。
これを毎回言われるのはきつい。
お風呂の時間だ。一番嫌な時間だ。
お風呂に入ること自体は好きだ。けれど、自分の体を触ったり見たりすることが嫌だ。
そういえばXジェンダーのことを何も説明していなかったから、今説明しよう。
Xジェンダーとは、自分の体の性別に関わらず、性自認が男性にも女性にも当てはまらない性別のことを言う。
その中にも4つ種類があり、中性、両性、無性、不定性とある。
中性とは、男性と女性の中間地点に自分がいると認識している性自認。
両性とは、男性でもあり、女性でもあると認識している性自認。自分の中には「男性が◯割、女性が◯割」というものがあり、基本それは変わらない。
無性とは、男性、女性のどちらの要素ももたない性自認。男女どちらとしての感覚(認識)にもあてはまらない人がこれにあたる。自分に性別があるという認識がない。
不定性とは、さまざまな性の間で自分の性が揺れ動いている性自認。男性、女性の間だけでなく、中性、両性、無性もふくめて揺れ動いている人もいる。
このように分類されてはいるけれど、4つだけには当てはまらない。「自分の性自認が揺れている」「自分の性が定まらない」という自覚そのものが、ひとりひとりの性自認であり、それをXジェンダーと呼んでいる。
(参考文献 https://jobrainbow.jp/magazine/xgender)
...小難しい話をしてしまった気がする。
とりあえず、男だけでも女だけでもない人、と覚えておけばなんとなくはわかるだろう。
一番嫌なのきたよ。はぁ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。