第4話

到着
776
2023/12/21 11:43 更新
htmngu
ちょ、ちょっと柊鳴さん家遠くないですか?
rk
いっつもバス乗ってるけど、告白してたから置いてかれましたね
htmngu
あーね、私も明日からバス通学になるってことか……
rk
徒歩でも行けますよ、もうすぐ着きますしね
htmngu
やったぜ……

そこからまたしばらく歩くと、真っ白な壁の三階建てのマンションが見え始めた。それを柊鳴さんが指差す。

これは、見るからに前まで住んでいたアパートよりも良さそうだ。そこそこ裕福そうな割には小さいマンションなので、恐らく彼は家族と離れて暮らしているのだろう。
rk
俺は204なんで、ちゃんと覚えといてください
htmngu
はーい!

部屋の前で立ち止まり、彼がカバンから鍵を取り出す。その持ち手には、可愛らしい二匹の猫のキーホルダーが付いていた。
htmngu
猫好きなんですね
rk
実家で飼ってたので、気付いたら猫派になってましたね

可愛いにゃんこの顔をぜひとも拝みたい。そう言おうとした時、自分の頭上に、柊鳴さんの視線が注がれていることに気が付いた。
htmngu
……なんすか?
rk
いや、なんか……八幡宮さんって猫に似てるなぁって……

よく分からないこと言うなぁ、この人……。

もし、私を馬鹿にする意図をもってそんなこと言っていたなら、本気で引っ掻いてやろう。
htmngu
ちなみに馬鹿にしてる訳ではないんですよね?
rk
本気ですよ!頭撫でたいですもん
htmngu
へぇ……

若干興奮気味に話す柊鳴さんが怖いが、家に住まわせてくれるので、気にする訳にもいかない。

ドアを開けてもらって部屋に入ると、想像より遥かに綺麗なリビングが見えた。
htmngu
なんか美味しそうな匂いする……
rk
多分昨日クッキー作ったからですね。まだ余らしてますけど食べます?
htmngu
食べたいです……!
 
ソファに案内されて座って待っていると、ナッツが乗ったお洒落なココアクッキーが運ばれてきた。
htmngu
美味しそう……!
rk
飲み物も持って来ますか?ココアとコーヒー選べますけど
htmngu
コーヒーお願いします

彼がお飲み物を淹れている間に、一口齧ってみた。

もやし生活待ったなしの状況だったので、お菓子を食べるのは久々だ。ワンチャン泣けるくらいには美味しかった。
rk
持ってきましたよ〜……って、もう食べてるんですか
htmngu
めちゃくちゃ美味しいですよ!私より女子力高いじゃないですか……
rk
いやいや……
htmngu
顔も可愛いしさぁ……
rk
からかうならコーヒー捨てます
htmngu
ごめんごめん、いただきま〜す

ブラックなのかな、思ったよりも苦そうだ。苦いのより甘いのが好きだと伝えておけば良かった。

そんなことばかり考えていたせいで、当たり前のことへの注意を怠ったのが原因だった。


息を吹きかけもせずに、淹れたてのコーヒーを口に含んでしまった。
htmngu
あつっ!?



ルカside


熱いから注意するように伝えれば良かったと思った時には、八幡宮さんは口を押さえて悲鳴をあげていた。
rk
大丈夫ですか!?
htmngu
……だいじょぶです……
 
どう見ても大丈夫じゃない。だから彼女の方に近付いたつもりだった。



彼女の目を見るまで。
rk
…………
htmngu
……柊鳴さん?

そんなに熱かったのか、驚いてしまったのか、ほんのり涙目になってしまっていた。

こちらを見た時に揺れた前髪の隙間から、少しツリ目の大きな瞳が覗いている。

思わず手を伸ばして頭を撫でると、彼女が軽く首を傾げた。
rk
……ほんとに猫みたいですね
htmngu
猫舌なんで、猫っぽいと言われたらそうかもしれません

彼女はそう言った後、こちらに少し体を預けた。

そしていたずらっぽく笑って言う。
htmngu
もっと撫でても良いんですよ?

急に更新遅れましたが許してください!

明日が塾なので、次は土日のどちらかになるかと思われますが、気ままにお待ち下さい。

プリ小説オーディオドラマ